初代レヴォーグ購入者に見た「スバリスト像」 データが浮き彫りにしたスバルファンの熱意

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初代レヴォーグ購入者から、よりスバリスト像を立体的に捉えてみよう。「なぜ、レヴォーグを購入したのか」といった購入まわりだけではなく、より広くクルマ全般に対する考え方を確認するアプローチをとった。

アテンザワゴンとの比較で見ると、「車は趣味」「多少無理をしても気に入った車を選ぶ」といったクルマ愛の強さは拮抗している。

一方で、メーカーやブランドに対する意識はレヴォーグの方が高く、スバルブランドへの強い支持が浮かび上がる。アテンザワゴンの「周囲の人に注目される車に乗りたい」のスコアの高さは、マツダユーザーが外観デザインを重視することからも納得の結果だ。

輸入車であるゴルフヴァリアントと比べてみると、メーカーやブランドへの意識は似た傾向を示す。趣味性や自分の好みをどれだけ自動車購入に反映させるかの点では、レヴォーグの方がスコアが高く、スバリストのこだわりの強さが理解できる。

スバリストはスバルの技術を評価する

最後に、レヴォーグ、アテンザワゴン、ゴルフヴァリアントそれぞれの購入者が、購入したメーカーに対してどのようなイメージを抱いているかを確認した。

レヴォーグユーザーは、スバルに対して「技術力がある」というイメージを持っていることがわかる。この技術力の高さに対するイメージやニーズは、前ページで取り上げた購入時の重視点や満足点とも共通するものであり、スバリストにとってエッセンシャルな要素と言えよう。

発売を控える新型レヴォーグにおいても、「アイサイトX」をはじめとするさまざまな最先端技術によって、スバリストの心をつかむことは間違いないだろう。ステーションワゴンの需要が低迷する中、新型レヴォーグがスバリストにどう評価されるのか、あるいは新たなユーザーを掴むのか。半年後、1年後にデータを分析してみたい。

三浦 太郎 インテージ シニア・リサーチャー

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みうら たろう / Taro Miura

北海道大学大学院理学院卒業後、インテージ入社。自動車業界におけるマーケティング課題の解決を専門とし、国内最大規模の自動車に関するパネル調査「Car-kit®」の企画~運用全般に従事。

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