親子で考えたい、住まいの終活に向けた5つの事 敬老の日だからこそ、時間を取って話し合いを

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そのためには、まず親子間できちんと話し合う必要がある。先ほどのクラッソーネの調査で、相続や生前贈与を予定していると回答した親世帯に「子や親族に相談しているか」を質問すると、「相談している」のは23.9%にとどまった。

また、2019年にランドマーク税理士法人が行った将来の相続人を対象にした相続意識の調査によると、子ども世帯で「実親と相続についての会話をしていない」という回答は58.7%にのぼった。

いずれも調査も、相続などについて親子間の会話が少ないことがわかるが、会話をしない理由は「親が元気なうちは話題にしづらい」ということのようだ。そういう場合は、親の側から話を持ち掛けるのがいいだろう。「こんな時代だから折り入って……」と切り出して、きっかけ作りをすることが大切だ。

親が検討したい5つのこと

互いの実家に対する考え方がわかれば、次は法律やお金のプロ、不動産のプロに相談をして、落としどころを探るといいだろう。方向性が定まっていれば、プロも助言をしやすいはずだ。

現在、相続登記の義務化が検討されている。適切な登記が行われていない場合、相続人を過去に遡る必要もあり、権利関係が複雑になって相続手続きが進まないという懸念がある。その際に親の記憶が頼りになる場合もある。何ごとも早めに準備をしておくことが大切だ。

では、実際にどのように住まいの終活を進めればよいのだろう。親側には次の5つのことを検討してもらいたい。適宜、情報を子ども側とも共有し、意見も聞きながら軌道修正をしていけばいいだろう。

■「住まいの終活」で親側がしたほうがいい5つのこと
・これから(介護が必要になったときも含めて)どこで生活したいか考える
・これからの生活のマネープラン立てる
・今の住まいの資産性を確認する
・今の住まいの正確な情報や履歴を整理する
・今の住まいのこれからの選択肢を考え、相談先を検討する

住まいには住んできた人の思い出もあるが、思い出はモノで残すこととは別の残し方もある。住まいは社会的な資産でもあるため、有効な活用方法を検討してもらえればと思う。

山本 久美子 住宅ジャーナリスト

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やまもと くみこ / Kumiko Yamamoto

早稲田大学卒業。リクルートにて、「週刊住宅情報」「都心に住む」などの副編集長を歴任。現在は、住宅メディアへの執筆やセミナーなどの講演にて活躍中。「SUUMOジャーナル」「All About(最新住宅キーワードガイド)」などのサイトで連載記事を執筆。宅地建物取引士、マンション管理士、ファイナンシャルプランナーの資格を有す。

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