ついに出発、JRの寝台列車「銀河」が抱える課題

食堂車なし、成功には地元の協力が欠かせない

9月12日、出雲市駅に到着した「銀河」の一番列車(記者撮影)

9月11日夜、JR西日本の新たな長距離列車「WEST EXPRESS(ウエストエクスプレス)銀河」の初列車が、京都駅から出雲市駅に向けて出発した。本来なら5月8日に運行を始める予定だったが、新型コロナウイルスの影響で約4カ月遅れとなった。

出発の翌日、山陰地方は朝から土砂降りの雨だった。出雲市駅の構内では「大雨の影響で出雲市から西側、出雲市―江津間の運転を見合わせております」というアナウンスが何度も繰り返されていた。

「出雲市駅の東側は問題ありません。米子は定時に出発しました。予定通り到着しますよ」と、JRの駅員は余裕の表情を見せた。幸い、出雲市から東側に雨の影響は出ていないようだ。

待ちに待った4カ月

地元の親子連れや鉄道ファンがホームで待ち構える中、待ちに待った列車がついに姿を見せた。9月12日9時35分、対向列車との行き違いの都合で予定より5分ほど遅れたが、4カ月待たされたことを思えば5分の遅れなどたいしたことはない。

ホームに降り立った乗客は約40人。夜行使用時における列車定員は85人だが、感染防止のため当面の間は定員を減らして運行する。前夜に京都駅を出発したときは「約50人乗っていた」(JR西日本)というから、途中の米子、安来、松江などで10人ほど下車したのだろう。

安来では「どじょうすくい出迎え隊」、松江では「まつえ若武者隊」といった地元の出迎えや見送りがあったという。出雲市駅では、丸山達也・島根県知事らが駅コンコースで出迎え、乗客に記念品を手渡していた。「知事からもらっちゃったよ」と、うれしそうに話す男性の声が聞こえた。関西から来たという2人連れの女性は、「列車内はとても快適だった」と話す。関東から来たという夫婦も「よく眠れた」と言い、これからレンタカーで出雲エリアを観光するという。

銀河の運行開始に合わせ、出雲市では地元の女性ガイド有志がタクシーに同乗して市内の名所を案内する「出雲周遊観光タクシー・うさぎ号」という取り組みも始めた。この日はあいにくの天気だったが、翌日には雨も上がるだろう。

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