「リバースモーゲージ」借金嫌う日本人の大誤解 「死後に自宅を遺族に残せない」は本当なのか
リバースモーゲージはローンの一種ではあるものの、一般的なローンとは返済方法が異なる。例えば、住宅ローンも自宅を抵当に入れて融資を受けるが、完済まで毎月元本と利息を返済し続けなければならない。
一方、リバースモーゲージは、生きている間は毎月利息のみの返済となる。元本の返済は、死亡後に担保不動産の売却代金で返済する形。月々の返済が利息のみで負担が少なく、契約後も自宅に住み続けられるのが特徴だ。
もともとアメリカで開発された商品で、自宅の資産価値を活用して年金のように毎月資金をもらい、死後、自宅の売却によって返済する仕組みである。
住宅ローンは毎月元本を返済して徐々にローンが減り(純資産が増え)、ローンを返し終わると家の資産がすべて自分のものになる。それに対して、リバースモーゲージは資産を使って毎月資金をもらい、最後は自分が死んだ際に資産を売却して返済する。
住宅ローンは資産化、リバースモーゲージは資産のキャッシュ化で、ちょうど逆の動きになる。それゆえ、「リバース」と呼ばれているのだ。
一般的には住宅ローンを完済した持ち家が担保対象となるローンだが、リバースモーゲージを使って返済中の住宅ローンを借り換える方法もある。新たに借りたリバースモーゲージで、返済中の住宅ローンを全額返済するのである。
これによって、借り換え以降、元本を返済する必要がなくなるので、毎月10万円近くあった住宅ローンの支払いが、数万円の金利のみで済むようになる。
日本人が誤解するリバースモーゲージ
リバースモーゲージがなかなか日本に浸透しない理由としては、日本人の誤った認識が要因にある。下記はこの制度について相談を受けた際に、よく聞かれる2つの質問だ。
最もよくある誤解はこれだ。リバースモーゲージの元金返済の方法を、自宅売却だけだと思っているケースである。
返済方法は売却以外にも2つある。1つは借入人が死亡した際に相続人が現金で一括返済する方法、もう1つは借入人の生存中に繰り上げ返済をする方法だ。
この2つの返済方法を選択した場合には、借入人の死後も自宅を遺族に残すことができる。実は金融機関にとっては、手間暇かけて担保物件の売却で元本回収をするより、相続人が買い取ってくれたり、繰り上げ返済してくれたりするほうがありがたいのだ。
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