脱炭素で劣勢の日本が注力すべき2つの分野

欧州は大規模ESG投資でコロナ禍から復興へ

東洋経済新報社の記者・編集者が、SBI証券のチーフストラテジストの北野一氏とともにマーケットを展望する月1回の動画連載「Monthly TREND REPORT」。後編では小社の岡田広行・編集局解説部コラムニストが「ESG投資と脱炭素化をめぐる日本と世界の動向」について、北野氏と展望します(動画は8月中旬収録、詳しくは動画をご覧ください)。
前編:日米の株価の差が「戦後最悪」になった必然

最近は地球温暖化を抑止するキーワードとして「脱炭素化」や「ESG投資」(環境・社会・企業統治に配慮して行う投資のこと)という言葉を、よく聞く。

上の画像をクリックするとSBI証券「Monthly TREND REPORT」のページにジャンプします

実は日本ではあまりなじみがないが、今、新型コロナウイルスの感染拡大で痛んだ経済を復興に導く「ひとつのエンジン」として脱炭素化が注目されている。

この動きをリードするのは欧州だ。「グリーンリカバリー(環境に配慮した経済復興)を合言葉に、アフターコロナは従来型の経済に戻すのではなく、環境に配慮した、持続可能な経済社会をつくろうとしている。そこで注目されているのが脱炭素」(岡田氏)だ。

気温は21世紀末まで3~4度上昇、生活破壊が現実に

そもそも、なぜ脱炭素化が必要なのか。国際エネルギー機関(IEA)によると、2019年における世界のエネルギー起源の二酸化炭素排出量は約333億トンだった。

だが、われわれが従来型の生活を続けていくと、排出する二酸化炭素の量は年間600億~700億トンに増加、その結果今世紀末までに地球の気温は3~4度上昇すると警告されている。

もしここまで気温が上昇すれば、海面上昇などの現象が地球規模で起こり、生活や文明が成り立たなくなる恐れがある。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の特別報告書によると、「2050年までに世界の二酸化炭素のネット排出量をゼロにしなければ、気温上昇を1.5度未満に抑えることができない」とされる。

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