「早生まれは不利」の研究に感じる違和感の正体

その"客観的事実"が人々に植えつける心理

なぜかというと、好きな遊びをたっぷりやることで非認知能力が高まり、それが学力の伸びにつながったからです。また、アメリカの「ペリー修学前プロジェクト」の研究でも、主体的な遊びをたっぷりして非認知能力が高くなった人は、学歴も収入も高くなることがわかっています。

では、なぜ、自分がやりたいことや好きな遊びをしているときに非認知能力が育つのかというと、こういうとき子どもの内面で次のような体験や学びが進行しているからです。

「今度はこれをやりたい。どうしたらできるかな? そうか、こうすればいいんだ。できた! 楽しいなあ。もっとやってみたい。自分はできるはずだ。あれ、うまくいかないなあ。でも、自分はできるはずだからもう少しやってみよう。

どうしたらできるかな? こうやったらどうかな? あれ、やっぱりだめだ。もっとこうしたらどうかな? あ、いいぞ、うまくいきそうだ。できた、やったあ。うれしいなあ。そうだ、○○君と一緒にやればもっとうまくできるかも。よし、誘ってみよう」

つまり、楽しいからこそ上記のような体験や学びが主体的に進行するわけで、そんな中で、自分がやりたいことを見つける力、それに向けて努力を続ける力、粘り強くやり抜く力、自己コントロール力、他者と協力する力など、いわゆる非認知能力が育つのです。

肯定的な言葉をかけてあげると自己肯定感は高まる

ということで、早生まれの子の親としては、こういう研究の成果を積極的に取り入れるとよいと思います。要するに、子ども本人がやりたがること、好きな遊びなどをたっぷりやらせてあげることが大事なのです。

もう1つ、私の経験で言わせていただければ、子どもの自己肯定感を育てて、よいセルフイメージを持てるようにしてあげることも大事です。そのためには、「また○○してない。ちゃんとやらなきゃダメでしょ」などのように、否定的に叱るのは極力やめるべきです。なぜなら、いつもこういう言葉を浴びている子は「自分はダメな子だ」と思い込むようになってしまうからです。

そして、「頑張ってるね」「できるね」「いいね」「ありがとう。助かるよ」などの肯定的な言葉を増やしましょう。こういう言葉をたくさん受け取ることで子どもの自己肯定感が高まります。

そのためには、先ほどの話とつながるのですが、親がやらせたいことをやらせるのではなく、子ども自身がやりたがることをたっぷりやらせてあげることが大事です。そうすれば、子どもは楽しみながら自然に頑張れるので成果も上がります。それによって、親もたくさん褒めることができますし、子どもも自信がつきます。

親の価値観を優先して、子どもがやりたくないことを無理にやらせていると、子どもは苦痛に感じるだけでやる気が出ません。それで、親が叱ることが増え、子どものセルフイメージが悪くなります。

以上をまとめると、自己肯定感と非認知能力を大切にしていけば大丈夫ということです。そして最後にひと言。早生まれに幸あれ!

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