実は重労働「デスクワーク」疲れを楽にするコツ 仕事中にも意識したい「3つの習慣」とは?

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②あごを引いて姿勢をリセットする

もう1つ、姿勢を正すためにぜひやっていただきたい手軽な習慣が、「あご引き」です。

これも、やり方は簡単です。

①まず、あごを引きます
②片手を軽く握って、人差し指をあごの先に押し当てます
③少し力を入れて、10秒間あごを押します

ちょうど、ロダンの「考える人」のポーズを、背筋を伸ばして、あごを引いて行うイメージです。

あごを押してやることで、当然ながら前に出ていたあごは引っ込みます。それだけでなく、自然と背筋が伸び、骨盤が立つのもわかるでしょう。つまり、あごを押すことで、簡単に姿勢をリセットできるということです。

また、押されたあごはその力を押し返そうとします。このときに、首の筋肉が鍛えられるという効果もあります。筋肉が強くなれば、それだけ血流もよくなりますから、「こり」や「痛み」の改善に役立つわけです。

「座り直し」とあわせて、仕事中に簡単にできる習慣として、ぜひ取り入れてみてください。

「不動化」した筋肉を動かそう

③肩甲骨を寄せて胸を張る

私が推奨する「肩甲骨はがし」ストレッチは座ったままでもできるので、ぜひ仕事の合間にも行ってほしいのですが、動きが大きいぶん、オフィスの環境によってはやりづらい人もいるかもしれません。

仕事中、本格的に「肩甲骨はがし」までやれる環境にない人は、ときどき肩甲骨を動かすようにしましょう。

やり方は簡単。肩甲骨をギュッと寄せて、胸を張るだけです。

『肩・首・腰・頭デスクワーカーの痛み全部とれる医師が教える最強メソッド』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

「肩甲骨はがし」ほどではありませんが、これだけでも「不動化」した筋肉はかなり動きます。そして、肩甲骨を寄せると、自然に背筋が伸びます。

「座り直し」「あご引き」と同様、肩甲骨を寄せるのも姿勢をリセットする効果があるということです。

仕事に集中していると、どうしても体を動かすことを忘れてしまいがちだという人は、スマートフォンのタイマーなどをセットしておくといいかもしれません。

長時間デスクワークせざるをえないとき、仕事中に一瞬でできる「こり」「痛み」予防の習慣として、仕事中にこの「3つの習慣」を定期的に行うよう意識してみてください。

遠藤 健司 東京医科大学整形外科准教授。日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科指導医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医

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えんどう けんじ / Kenji Endou

東京医科大学整形外科大学院修了後、米ロックフェラー大学、東京医科大学整形外科医長等を経て2018年より現職。
自身が肩こりに苦しんだ経験から、本書で紹介するメソッド「肩甲骨はがし」ストレッチ、「押し流し」マッサージなどを開発。この方法を肩こりなどに苦しむ多くの人に伝えるため、研究、診療の合間を縫って、書籍やメディアなどで情報発信を行っている。
著書に『肩・首・腰・頭 デスクワーカーの痛み全部とれる 医師が教える最強メソッド』(かんき出版)などがある。日本テレビ「世界一受けたい授業」、TBS「この差って何ですか?」などメディア出演多数。

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