無料化は疑問だらけ、高速道路政策の混迷

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民主党のマニフェストには、原則無料化実施に1・3兆円程度が必要と書かれているが、財政難の政府には重荷だ。6月メドの実施となったのは、7月に予定する参議院選挙への対策と勘ぐられても仕方がないだろう。

事態を一層複雑にするのが、昨年末に民主党が出した「高速道路の整備」の要望だ。税金で不採算の高速道路を建設する「新直轄事業」を廃止し、これに見合う額を国が高速道路会社に支援する案だが、旧日本道路公団の民営化前に戻るという指摘もある。ほかには、全国統一の料金設定などが盛り込まれている。

「民主党からその後説明もなく、大臣から詳しい指示もない」(国交省)ため、たとえば全国統一料金の具体的な内容は不明。ETC搭載車の土日祝日上限1000円割引を取りやめ、代わりに車種区分ごとの新料金を導入するようだが、「全国どこへ行ってもトラックは一律5000円となれば、フェリーはやっていけない」(フェリー業界)と懸念する声も上がる。

無料化が経済の混迷を深めないことを祈るばかりだ。


(撮影:大澤誠 =週刊東洋経済 10年2月13日号)

山田 徹也 東洋経済 記者

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やまだ てつや / Tetsuya Yamada

島根県出身。毎日新聞社長野支局を経て、東洋経済新報社入社。『金融ビジネス』『週刊東洋経済』各編集部などを経て、2019年1月から東洋経済オンライン編集部に所属。趣味はテニスとスキー、ミステリー、韓国映画、将棋。

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