日米「2つのサプライズ」で株価はどうなるのか

FOMCは上昇要因で、安倍首相辞任は下落要因!?

したがって、筆者が「酔っぱらった、ただのおっちゃん」として、居酒屋でぐちぐちと独り言でつぶやいているならともかく、個別銘柄の株価見通しをプロとして「東洋経済オンライン」のようなまっとうなメディアで語るのは、誠意に欠けると信じる。個別銘柄については、株価判断の裏付けとなる、企業取材や財務分析にしっかりと基づき株価見通しを提示している専門家の予想を、参考にしていただきたい。

FOMCは1つ目の「サプライズ」

さて、前述のように長期的な株価動向の見解は変わらないなかで、当面はややアメリカ株優位、日本株劣位の推移となりそうだ。

だが極端に日米間の格差が広がるとは見込んではいない。それは、先週に表れた、2つの「サプライズ」による。ここで「サプライズ」と、カッコ付きで書いているのは、全く誰も想定していなかったような驚きとは言い難いが、やや見込みとは違った展開になった事象というつもりでそう表記している。

まずその1つ目は、FOMC(米連邦公開市場委員会)の声明だ。8月27日(木)から28日(金)は、カンザスシティ地区連銀主催の経済シンポジウムがあった(開催地の名前をとって、「ジャクソンホール会合」と呼ばれる。ただし今回はコロナ禍のためオンライン会合)。2日間のシンポジウムのうち、初日午前(日本時間では27日夜)にジェローム・パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演が行われることとなっていた。

市場は「連銀が検討している新しい金融政策の手法について、議長が言及するのではないか」という点で、この講演を注目していた。

その新しい手法とは2つあり、1つはフォワードガイダンスだ。これは、特定の経済指標と金融政策を結び付けるものだ。たとえばインフレ率が〇%に上がるまで金融緩和を続ける(このように、フォワードガイダンスのうち、インフレ率と紐づけるものを、インフレーションターゲティングと呼ぶ)、失業率が△%に低下するまで金融緩和を継続する、といったようなものだ。

もう1つは、イールドカーブコントロールで、こちらは政策金利(翌日物金利)だけではなく、中長期の金利に誘導目標を設けるものだ。すでに日本銀行では、10年国債利回りをゼロ近辺に誘導するという、イールドカーブコントロールを行なっている。

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