安倍首相の健康問題は今後の株価のリスク 日経平均はワクチン期待で一時「コロナ前」回復

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仮需の動向も改善している。日経平均は約半年でコロナショック以前の水準まで回復したが、需給面でみると、2月高値の信用買いの期日を半年過ぎて通過した直後、つまり仮需の荷もたれ感が薄らいだ時点で、一気に上値追いの様相をみせたことになる。

売り方は厳しい立場に

空売りも3月安値の期日を9月に迎えることになるが、ここまで株価が上昇しているだけに、売り方は厳しい状態に置かれている。指数寄与度が大きいファーストリテイリング<9983.T>の信用倍率は0.71倍と売り残が買い残を大きく上回っており、株高が止まらなければ買い戻しによる踏み上げ相場となる可能性がある。

東京証券取引所がまとめた8月14日時点の裁定売り残は1兆6702億円と引き続き高水準。9月のSQ(特別清算指数)算出に向けてこの解消が急がれるようになれば、株高の要因になるとの見方もある。

一方、新たなリスク要因も浮上している。安倍晋三首相の健康問題だ。市場では「コロナへの対応が必要な現状では、誰が首相でも金融緩和や財政拡張の路線を変えることはできない」(国内証券)との見方が多いが、警戒感も出ている。

大和証券・チーフテクニカルアナリストの木野内栄治氏は「安倍政権は賛否がありながらも、株高に貢献してきた政策を取ってきたのは事実だ。政権が交代するとなると、ポストコロナを考えた場合、海外機関投資家が日本株に対して警戒感を抱くなるようになるかもしれない」と指摘、軽くみない方がいいと話している。

(水野文也 編集:田中志保)

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