安倍氏「健康問題」アメリカはどう見ているのか トランプ、バイデンそれぞれの思惑は?
個人的な健康問題、それより重大な新型コロナウイルスと経済危機への対応によって、日本の近代史の中で在任期間が歴代最長となった安倍晋三首相が、退任の道を歩もうとしているのかもしれない。
が、日本の最も重要な同盟国であるアメリカの権力中枢で、安倍首相の運命を本当に心配している人物はいるだろうか。そして、ドナルド・トランプ大統領の「友人」が退任した場合、アメリカ政府が安倍首相の後継者と考える人物はいるのだろうか。
「それどころじゃない」トランプ大統領
トランプ大統領は、当然の事ながら8月24日に開幕した共和党大会での形勢逆転を期待しており、日本に関心を払っている余裕はない。対抗馬であるジョー・バイデン前副大統領もトランプ大統領をリードしている身ながら、日本政府の動向に気を向けている状況にはない。
それでも、トランプ大統領とマイク・ポンペオ国務長官は、安倍首相の健康問題と退任の可能性を十分に認識していると、トランプ政権の元高官は語る。元高官は「確信している」という。
トランプ政権で同盟安全保障関係を担当していた別の元高官は8月下旬、「アメリカ政府は、特にこの24時間の間、安倍氏の健康状態について、一般の人々よりも綿密に追跡し、情報を得ていると考えている」と話す。
国務省とアメリカ中央情報局(CIA)は非常に慎重に事態の進展を追っており、「PDB(大統領日報)はそのような内容を含み、トランプ大統領は理解の質や関心の程度はさておき、週に2、3回、諜報情報のブリーフィングを受けている」と、共和党政権と民主党政権の両方でアジアの安全保障を担当していた元高官は語る。
こうした元高官による保証にもかかわらず、経験豊富な政策立案者は、ホワイトハウスが真剣に関与しているかどうかを疑問視している。
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