安倍氏「健康問題」アメリカはどう見ているのか トランプ、バイデンそれぞれの思惑は?

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「バイデン氏と彼のチームはこれまでの損失の大きさを理解しており、アジア太平洋地域におけるアメリカの同盟システムの中心として日米同盟関係を元に戻すための措置を講じると私は確信している」(リヴィア氏)

日本と日々関係を構築しているアメリカ官僚の国家安全保障の専門家は、日本の政権を握るのが誰であれ、アメリカの政権交代に安堵するだろうと、ほとんどのオブザーバーは考えている。

民主党政権のほうがポスト安倍時代は探りやすい?

アメリカ大統領が代わったほうが、日本のトップの交代もやりやすくなるかもしれない。安倍首相とトランプ大統領が緊密な関係を築いていることもあって、民主党政権と関係を構築するのは容易ではないかもしれないからだ。

「日本の首相の交代はただでさえ重大な出来事ではないが、バイデン氏が勝利した場合、その重要性は一段と低くなるだろう」と著名な日本研究者であるトビアス・ハリス氏は話す。

「一方、安倍首相の後任がより高齢の暫定的な首相になる可能性がある──すなわ麻生太郎(副首相)あるいは菅義偉(官房長官)になるかもしれない──ことから、日米同盟は来年にかけて優れた実績ある人物によって管理されることになる可能性がある。その時点で、自民党はポスト安倍時代の方針を決めるために、より公然とした、より多くの議論を伴う首相選出をめぐる政争が起こるかもしれない」とハリス氏は考えている。

ハリス氏は、発売されたばかりの安倍首相の伝記『The Iconoclast(聖像破壊者)』の著者でもある。同書は英語で書かれた初めての安倍首相を深く分析した書籍だ。

11月に行われる大統領選という4年に1度の大行事がある限り、日本の政治ドラマが関心を集めることは当面ないだろう。「日米関係は十分に成熟しており、同盟の基盤も十分強固だ。関係調整を任されたアメリカ側の官僚にとって(安倍首相の健康問題など)大したことではないだろう」とリヴィア氏は主張する。

「日米同盟を軌道に乗せることを託された者たちにとっての最近の大きな関心事は、誰が次期アメリカ大統領になるかということだ。 同盟国および、同盟に対するトランプ大統領の常軌を逸した冷淡かつ軽蔑的なアプローチは、特に主要な同盟の強化にキャリアを捧げてきた官僚にとって大きな問題となっているのだから」

ダニエル・スナイダー スタンフォード大学講師

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Daniel Sneider

クリスチャン・サイエンス・ モニター紙の東京支局長・モスクワ支局長、サンノゼ・マーキュリー・ニュース紙の編集者・コラムニストなど、ジャーナリストとして長年の経験を積み、現職に至る。

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