賃貸住宅経営を安易に始めた人の悲惨な末路 相続対策の土地活用、巧みな営業トークに注意

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では、なぜメリットが少ないサブリースを利用する人が後を絶たないのでしょうか。それは不動産会社や建設会社の営業トークに原因があります。

「土地をお持ちの○○さんならば、何もしなくてもお金が入ってきますよ」
「我々にすべて任せておけば安心です」  

この巧みな言葉は、賃貸管理の基本や知識を「学ぶ必要はない」と思わせ、サブリース・家賃保証をフックに受注を促進したい事業者の戦略です。もちろん、自社の利益を出すことしか考えていない不適切な営業だと言えます。しかし、複数の事業者から見積もりを取ったとしても、ほぼ100%の確率でサブリース前提の提案をされるでしょう。なぜなら今やサブリースは、土地活用の業界スタンダードになっているからです。

その影響で、多くの土地オーナーにとっても「土地活用といえばサブリース」が常識になっています。先述の「賃料減額リスク」をはじめ、将来発生するコストに言及しない営業トークも通例となっており、実際にサブリースのリスクに関して説明を受けたと答えているオーナーは約6割しかいないというデータがあります。そして将来の支出を鑑みずに賃貸住宅建築をした結果、泣く泣く土地を手放すことになった地主が増えてしまっているのが現状なのです。

罠を回避し土地活用を成功させるために必要なこと

『収益性と相続税対策を両立する土地活用の成功法則』(クロスメディア・パブリッシング)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

一般的な賃貸経営において、賃貸管理を外部の業者に委託することは、珍しくありません。ですから、賃貸管理に関する業務を委託することが悪いわけではありません。土地活用を成功させるために大切なのは、「収益性」と「相続税対策」を両立すること。サブリースではこの収益性が下がってしまうケースが非常に多いことが問題なのです。

賃貸住宅建設による土地活用を検討する場合、本当に収益が出せるのかをシミュレーションで正確に把握しましょう。そのためにも、1つの業者に任せきりにするのではなく、賃貸経営をしようと考えている地域の賃貸需要を賃貸仲介業者にヒアリングしたり、不動産ポータルサイトで調べたりして、ご自身でもできる限りそのエリアの情報を得たうえで土地活用に臨むことをお勧めします。一人でも多くの方が、誤った土地活用により大切な土地を失わないことを願っています。

藤原 正明 大和財託 代表取締役CEO

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ふじわら まさあき
1980年生まれ。三井不動産レジデンシャル株式会社を経て、収益不動産の売買・賃貸管理を行うベンチャー企業で収益不動産の売買仲介および賃貸管理業務についての実務経験を積む。2013年に独立して大和財託株式会社を設立。東京・大阪で収益不動産を活用した資産運用コンサルティング事業を展開。コンサルティングから物件提供・建築、運用・賃貸管理、売却まで一貫した資産運用をサポートしている。
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