香港のメディア王「自由のため1日1日を戦う」 「国家安全法」で逮捕されたジミー・ライ激白
逮捕から約40時間後の12日未明に保釈されたライは本社へ凱旋。社員らの熱烈な歓迎を受けた。その日の『アップル・デイリー』は1面全面に逮捕されたライの写真をカラーで掲載、「蘋果一定撐落去(アップルは必ずや闘いぬく)」との大見出しを打った。
紙媒体離れなどからの部数減で1日10万部を大きく割り込んでいる同紙だが、この日は51万部を発行。夜明け前から街角の新聞スタンドには『アップル・デイリー』を購入する市民が殺到し完売。また同紙を発行する壹媒体の株価は3倍以上に跳ね上がった。これは『アップル・デイリー』への市民の声援以外の何物でもない。
「さらにたくましい集団に成長した」
「私とは別に逮捕された社長の張剣虹ら幹部の顔を社内で見たときには思わず目頭が熱くなった。保釈を心から喜び、歓迎してくれた社員にはいくら感謝してもしたりない。社員、とくに記者は私の逮捕から脅威、恐怖をさらに感じざるをえないだろう。しかし、記者らはさらに闘志を燃やし、同時に慎重にことを運ぶことの重要さを知った。そして記者らはさらに自覚的にならなくてはいけないと知った。逮捕を経て私たちはさらにたくましい集団へと成長した。
51万部の完売、株価の上昇と香港市民からの支援には心から感謝しなければならない。住民が700万人しかいない香港で51万部というのは世帯数で言えば3分の1に近い。これだけ多くの香港市民が自由と法治を求め、『アップル・デイリー』を支持してくれている。また、広告出稿も逮捕を機に増え始めた。本当にありがたいことだ。この市民の声を無視することを誰ができようか」
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