香港のメディア王「自由のため1日1日を戦う」

「国家安全法」で逮捕されたジミー・ライ激白

民主化運動の支援を物心両面で続けてきた「メディア王」、ジミー・ライ。逮捕はそう遠くないと覚悟していた(写真:ロイター)
香港の反共嫌中自由化運動の代表的な闘士で、いまや香港で唯一北京に対してモノ申すことができる日刊紙『蘋果日報(アップルデイリー)』を擁するメディアグループ「壹伝媒(Next Digital)」の創業者であるジミー・ライ(黎智英、71)が8月10日、香港国家安全維持法違反の容疑で逮捕された。約40時間後に保釈されたが、いつ獄につながれるかわからない。その不安の中、ライは香港の自由を守るために闘い抜くと闘志を新たにしている。昨年9月のインタビューに続いて、香港民主化運動の象徴として国際社会から注目されるライに直撃取材した(インタビューは8月18日に実施)。

「私が中国共産党に狙われ、6月30日に急遽公布された国家安全維持法のターゲットになっていたことはわかっていた。そして、逮捕、収監の日がそう遠くないことも覚悟している。しかし10日朝、自宅に警察が現れたときにはやはり驚かざるをえなかった」

ライは1989年の天安門事件以来、中国共産党とその一党独裁を厳しく非難してきた。また2014年の民主化運動、雨傘運動と昨年の逃亡犯条例改定に端を発した大規模反政府活動など民主化運動の支援を物心両面で続けてきた。ライは昨年以来、香港民主党の結党主席、マーティン・リー(李柱銘)らとともに「香港を混乱させた4悪人」として中国から名指しで批判されていた。国際的な注目度は、日本だけで局地的に注目されるアグネス・チョウ(周庭)などよりはるかに高く、香港の民主化運動指導者として早くから認知されてきた。

広東語を聞いて「命だけは助かった」

「警察官が広東語を話すのを耳にして、彼らが香港人であることがわかった。その瞬間、今日のところは命だけは助かったと安堵した」

ライは今年2月、4月と2回逮捕されている。そのときは昨年の無許可デモ組織、参加が逮捕容疑で、即日保釈され公判を待っている。しかし、今回の逮捕は施行されたばかりの香港国家安全維持法違反で、しかも罪名は終身刑に問われる「外国勢力との結託(=共謀)」で、昨年の容疑とは量刑が天と地ほども異なる。

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