アップルの低迷→復活の歴史に見えてくる本質 ビジネスパーソンの評価は短期間で定まらない
アップルはGAFAの最古参企業
2010年代に世界を席巻したビジネスのトレンドは、「GAFA」でした。このグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンのうち、創業年という点で見た場合に、1社、仲間外れがあります。さて、どの企業でしょう?
それはアップルです。グーグル、フェイスブック、アマゾンはインターネットが普及した1990年代以降に創業されたのに対し、アップルの創業は1976年。GAFAの中では古参企業に当たります。
今でこそアップルは優良企業として世界に名をはせていますが、1990年代は危機の真っただ中にありました。慢性的な低収益に悩まされ、「アップルは復活できない」とささやかれていたのです。
1990年代以降のインターネット業界で有望企業が続々誕生したように、企業の歴史をひもとき比較していると、ある特定の時期、ある特定の業種で、同時多発的に有望企業が誕生することがあります。本稿で取り上げるアップルもまた、1970年代におけるコンピューター業界における起業の波の中で誕生した企業でした。
コンピューター業界でベンチャー企業が同時多発的に出現した最初のきっかけは、1970年代における半導体産業の進歩です。1971年にインテルは、それまで巨大な筐体の中で動作していたコンピューターを「マイクロプロセッサ」という1つのチップで動作させました。このイノベーションによって、コンピューターは一般の人々の身近な存在へと変貌し、「パソコン」という巨大市場が生まれることとなったのです。この巨大市場の創世記に過敏に反応したのが、 マイクロソフト(1975年創業)のビル・ゲイツ氏、アップルのスティーブ・ジョブズ氏といった起業家でした。
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