難関私立中を「途中退学」した少年の驚きの現在 「最善の道」を勧めたつもりが思わぬ結果に…

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「哲平はお受験のお教室にも通い始めていました。習い事として始めさせたとのことでしたが、夫とも話し、中学受験は息子には大変そうだから、大学まである小学校にお世話になろうかと、大学付属の小学校受験をすることにしたんです」

結果は合格。しかし、小学校に入ると、ほかの子どもたちとの違いが目立つようにもなり出した。とにかく集団で同じことをやるのが苦手。日々の板書にも苦戦した。

それでも、哲平君のそんな性質を担任や、世話好きの級友たちが理解してくれ、普通学級での生活を送れていた。学校生活を楽しみ、3年生では学級委員に選ばれるほどに。

ところが、その頃から友達からいじめられるようになったという。合唱コンクールの練習などでひな壇に上がれば後ろから蹴られる、「お前は先生の犬だ」などと中傷される。耐えかねた哲平君は、テスト用紙に「ぼくはいじめられています。たすけてください」とつづった。

学校側との話し合いも持たれたが、こうした言葉による小さないじめは4年生まで続いた。

「担任の先生が盾のようになって息子を守ってくれたこともありました。5年生に上がる面談では、いじめている子とは違うクラスにしてほしいと伝えたところ、希望どおりになりました」

これで安心と思えるはずだった。だが、不幸にも、ここでボタンの掛け違いが起こってしまった。

理不尽に詰め寄る担任との攻防

5年生で担任となったのはまだ教師経験の浅い教師だった。担任教師はこれまでの担任たちとは異なり、哲平君の性質を特性と見ることはせず、手厳しい指導をした。

成績的には系列中学に上がれるだけのものを取っていた。だが、担任教師は、彼の協調性のなさや、宿題をやってこない態度が気に入らなかった。実は、このクラスはほかのクラスより宿題自体が多く、哲平君がそれに対応するのは困難を極めた。そして、行われた保護者面談。

「私が推薦状を書いても、この協調性のなさでは送った先からなんで推薦してきたんだと言われてしまいます。他校へ移ることを考えてください」

そう担任教師は詰め寄った。

大学まで安泰と思っていた山内家にとってはあまりに大きなショックだった。

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