資産価格上昇の起源は「実質金利のマイナス化」 株価も金価格もマイナスコストの資本が支える

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

そこでブレイクイーブンインフレ率(BEI)10年を用いて、アメリカの実質10年金利の推移を日次で見たものだが、すでに期待ベースの世界で市場は「長期金利が実質でマイナスの時代」を前提にしていることがわかる。

金も銅も株も債券も、あらゆる資産価格が世界の資本コストであるアメリカの金利がゼロ以下で定着する時代を当てにしているのであれば、「目をつぶって買ってしまえ」という判断になるのも無理はないのかもしれない。

今、金融市場で起きている経験のない事象を細大漏らさずきれいに説明しようとするのは非常に難しいが、アメリカの長期金利が実質ベースでマイナスに定着している事実に起源を求めようとする仮説は相応に説得力があるように思える。

※本記事は個人的見解であり、筆者の所属組織とは無関係です

唐鎌 大輔 みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

からかま・だいすけ / Daisuke Karakama

2004年慶応義塾大学経済学部卒。JETRO、日本経済研究センター、欧州委員会経済金融総局(ベルギー)を経て2008年よりみずほコーポレート銀行(現みずほ銀行)。著書に『弱い円の正体 仮面の黒字国・日本』(日経BP社、2024年7月)、『「強い円」はどこへ行ったのか』(日経BP社、2022年9月)、『アフター・メルケル 「最強」の次にあるもの』(日経BP社、2021年12月)、『ECB 欧州中央銀行: 組織、戦略から銀行監督まで』(東洋経済新報社、2017年11月)、『欧州リスク: 日本化・円化・日銀化』(東洋経済新報社、2014年7月)、など。TV出演:テレビ東京『モーニングサテライト』など。note「唐鎌Labo」にて今、最も重要と考えるテーマを情報発信中。

※東洋経済オンラインのコラムはあくまでも筆者の見解であり、所属組織とは無関係です。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事