コロナの後遺症が当事者以外にも厄介すぎる訳 回復しても別の症状、医療費膨張のリスクも
米保険計理士協会で調査研究担当マネージングディレクターを務めるデイル・ホール氏は、「ある疾病で重症になったことから生じる問題の多くは、その後3年、5年、20年と続く可能性がある」と語る。
米国の保険計理士たちは、今後のコストを把握するために、新型コロナの患者と、健康特性は似ているが新型コロナに感染していない人の保険利用記録を比較し、数年にわたって追跡調査している。
イギリスは1万人を最長25年間追跡調査
英国では、入院を経験したCOVID-19患者1万人を、退院から12カ月間、可能であれば最長25年間追跡調査することをめざしている。この調査に参加する科学者らは、アフリカでのエボラ生存者に見られたような、長期的なCOVID-19症候群を定義することを想定している。
リバプール大学のケイラム・センプル教授は、「回復した患者の多くは、肺に傷跡が残り、疲労感に見舞われるのではないかと考えている。あるいは脳血管へのダメージ、心理的な苦痛も残るかもしれない」と話す。
バーミンガム病院で働くマーガレット・オハラさん(50)は、こうした調査の対象とならない多くのCOVID-19患者の1人である。症状が軽く、入院せずに済んだからだ。だが、ひどい息切れなど健康上の問題が繰り返しているため、まだ仕事には復帰できずにいる。
オハラさんは、自分のような患者は、英国の長期的なコスト計画の対象外になるのではないかと心配している。
「私たちは、かなり長期間にわたって、費用のかさむフォローアップ治療が必要になるだろう」とオハラさんは言う。
(Caroline Humer、Nick Brown、Emilio Parodi 翻訳:エァクレーレン)
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