コロナで運行延期「東京BRT」その後どうなった? 停留所など施設は完成、運行開始時期はいつか
本格運行への移行時期は当初の計画通り、BRTの主な運行経路である環状2号線の本線トンネルが開通する2022年度以降の予定だ。
プレ運行との主な違いは輸送力や平均速度の高さだ。新橋―勝どき間の平日ピーク時1時間当たり片道運行本数は6便程度から20便程度に増え、表定速度(停車時間を含めた平均速度)も路線バス並みの時速11~15kmから、新交通システム並みの時速20km以上にアップする計画だ。
都市整備局によると、本格運行時には定時性を高める施策として、交差点でBRTの通過を優先させる公共車両優先システムの導入を目指している。また、バスを停留所に隙間なく停める「正着制御」の導入についても「都としては進めていきたいと考えており、今後運行事業者などと協議していきたい」という。
「バス高速輸送システム」の本領発揮となる本格運行だが、プレ運行からの移行時期については「現状では2022年度『以降』としか言えない」(都市整備局の担当者)。環状2号線トンネルの開通時期だけでなく、五輪終了後にマンションとなる選手村跡地の「まちびらき」の時期も関係するためという。本格運行では同エリア始発着のルートもあるためだ。
周辺環境に翻弄
東京都が都心と臨海部を結ぶ新たな交通機関の整備計画を発表したのは2014年8月。BRTの運行を念頭に事業協力者を募集し、翌年春には運行ルート案などをまとめた基本計画を策定した。この際のスケジュールでは、運行開始は2019年度内を目指していた。
だが、「五輪の幹線道路」として2020年の大会開催前の開通を目指していた環状2号線は、築地市場跡地に建設するトンネルの着工が市場の移転延期により遅れ、トンネルを含む全線開通予定は2022年度にずれ込んだ。環状2号線を主要経路とするBRTの事業計画も2018年8月に改定。運行開始時期は2020年度に延期された。
都は今年2月、プレ運行を5月24日に開始すると発表。だが翌3月には事業のスケジュールにも影響する五輪・パラリンピックの延期が決まり、さらにプレ運行開始そのものもコロナ禍の影響で延期され、今に至っている。臨海部の足として期待を集めながら、周辺環境に翻弄され続けてきたともいえそうな東京BRT。レインボーカラーのバスが乗客を乗せて走り出す日はいつか。
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