長時間労働が正義「昭和気質の上司」への対応策 なぜ18時以降に打ち合わせを入れるのか…

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むしろやるべきは現在の勤務先の状況やカルチャー、上司の方のそのような特性を踏まえて、上司の方を含むほかの方たちがやっていないことで、何をすれば会社の業績等に貢献ができるのかを考え、実際に行動に移すことをすべきです。要は評価されうる土俵を新たに自分で創る、ということです。

例えば挑戦や行動というカルチャーがないとのことなので、そういったことへの注力を通じて目立つ存在になる。また、上司の方が具体的なアドバイスをくれないのであれば、ご自身の創意工夫をもって仕事をするチャンスでもあります。

実は私自身も社会に出てから教えてくれない上司にしか出会ったことがなく、自分自身で業務に係る勉強をしたり、上司以外の方や外部の方を含め色々な方の話を聞いたり、創意工夫して仕事をこなしてきたクチです。

そのようなやり方を通じて、評価されるに値するような具体的結果を伴う行動を起こし、ご自身で会社の中における新しい付加価値と柱を形成していくのがいちばん、ということです。

そうすればご自身の成長にもつながりますし、日々悶々としてゴールの見えない中をさまようこともなくなるでしょう。

もちろんその上司の方が評価を下す1人であることは確かでしょうが、大きく目立つ存在になれば上司の方以外からも注目されるはずです。会社の規模もそこまで大きくはないとのことですから、むさしさんにしかできないことをどんどん創り出していって、なくてはならない存在になれば、そのようなことも十分可能なはずです。

自身のスタイルを確立し、唯一無二の存在に

そもそも論としては、むさしさんもその直属の上司の方だけに評価されることを目的として仕事をしているわけでは決してないと思います。多くの方がそうであるように、会社に対する具体的な付加価値を通じて、職業人として自分自身が成長し、その過程で正当な評価を得るのが理想とお考えのはずです。

であればますます上司の方のスタイルの踏襲や同じことをすることで評価されるということは考えることすらすべきではありません。ご自身の仕事のスタイルを確立し、そのうえでご自身の会社における存在感を具体的な付加価値の創造と提供を通じて行っていくべきです。

誰もやらないということはやるチャンスですし、書かれているように同じことの繰り返しが業務としての大半を占めるような仕事であれば、ますます新しいことを生み出すチャンスでもあります。

そのような環境では年齢や肩書にかかわらず、新しいことを最初にやった人が一番会社で経験がある人にもなりうるのです。

会社において唯一無二の存在になるということは、それをもって評価されうる土俵を自分で確立した、ということにもつながります。そのような創意工夫を通じて、自ら勝負し評価されうる土俵を創り出していきましょう。

もちろんそれでもって100%評価される保証はありませんが、少なくともそういった創意工夫は今以上に職業人としてのご自身を成長させるはずです。

そうするとむさしさん個人としての将来的な職業上の選択肢が広がることにもなりますから、少なくとも現状を嘆き、現状を仕方がないと受け入れこのまま過ごすよりも格段に有益でしょう。

むさしさんがそのような創意工夫と行動を通じて、会社に変革をもたらし、社会人としての成長を遂げるであろうことを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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