中国の09年GDPは449兆円、前年比8.7%の成長、10年GDPは日本を大きく上回る見込み

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中国国家統計局は21日、2009年の実質GDP成長率が通年の達成目標(前年同期比8%前後)を大きく上回る8.7%だったと発表した。名目では33兆5353億元で、これは直近の為替レート(1元=約13.4円)では449兆円に相当する。

内閣府が昨年12月25日に発表した経済見通しでは、日本の名目GDPは09年の実績見込みで473.1兆円。10年は475.2兆円だ。中国の10年の成長率を世界銀行、IMF(国際通貨基金)はともに9.0%と見ているが、それを前提とすれば10年に日中のGDPは逆転、日本は大きく水を開けられることになる。

中国の09年1~3月期成長率は前年同期比6.2%で、四半期ベースの統計がある1992年以来で最低の水準だった。だが、その後は4~6月期が7.9%、7~9月期が9.1%、10~12月期が10.7%と、期を追うごとに好転した。

その原動力が、通年で30.5%増となった固定資産投資だ。とくに、08年11月に発表された景気刺激策(10年までに総額4兆元を投入)のもとで公共投資が急増。低迷していた工業生産をテコ入れした。とくに鉄道(前年比67.5%増)、道路(同40.1%増)、都市公共交通(同59.7%増)などインフラ建設の伸びが大きかった。

4兆元計画のうち、中央政府が拠出する資金は1.18兆元。大々的な公共事業を支える資金の大宗は銀行融資だ。中国人民銀行(中央銀行)の金融緩和政策のもと、当初に通年で5兆元が目標とされた銀行新規融資の増加額は、最終的に9.6兆元にも達した。

「カネ余り」は公共事業を当てこんだ設備投資競争を招いた。9月の段階で鉄鋼、セメント、板ガラス、石炭化学、多結晶シリコン(太陽電池の素材)、風力発電設備の6業種が過剰設備業種に指定され、銀行融資や土地使用などの面で制限が課せられている。また、国有企業への融資が不動産市場に流入することも懸念され、関係当局が引き締め姿勢を示している。

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