スクウェアが主力ゲームのリメイクで得た自信 『FF7リメイク』は発売3日で350万本を超えた

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ただ、そのやり方に普遍的なものはない。同じ『FF(ファイナル・ファンタジー)』であっても、ユーザーはタイトルごとに固有の価値を見出しているからだ。

まつだ・ようすけ/1963年生まれ。東京大学教育学部卒業後、三井生命(現大樹生命)へ入社。アクタス監査法人などを経て、1998年スクウェア(現、スクウェア・エニックス・ホールディングス)入社。経理財務部長、取締役専務などを経て、2013年から現職(撮影:梅谷秀司)

作り手の狙いが必ずしも受け入れられるとは限らず、作り手の意図しないところで爆発的な盛り上がりを見せることもある。それが難しいところであり、面白くもある。

重要なのは(さまざまなタイプのゲームで)ポートフォリオを組んで運営していくことだ。定番シリーズを収益基盤として持っておきつつ、新しいタイトルに挑戦していく。打席に立っていかないといけない。

逆風下で好調なスタートを切った

――スクエニの場合、『ドラゴンクエスト』、『FF』のシリーズが2大収益基盤です。今年4月に発売された『FF7リメイク』は、コロナが深刻だったタイミングだったにもかかわらず、好調なスタートでした。

『FF7リメイク』のワンシーン。販売は好調な滑り出しとなった© 1997, 2020 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA/ROBERTO FERRARI

発売3日間の販売本数は350万本を超えた。逆風下では、善戦したといえる。主力市場の欧米でコロナによる都市封鎖が実施され、小売店が閉まる中で、パッケージソフトの生産量を絞らざるをえなかったからだ。

一方、ポジティブな変化もあった。小売店が閉鎖されたことで、これまでダウンロード販売があまり普及していなかったヨーロッパの一部地域などでもデジタル化が進んだのだ。

『FF7リメイク』は、発売3日間の4~5割がダウンロードによるデジタル購入だった。当社のタイトルの中でも、これまでにない高水準だ。店頭で買えずやむなくデジタル版を購入したお客様の中には、実際に使うことでその手軽さに気付き「今後もデジタル版を買おう」と思った方も多いのではないか。

「週刊東洋経済プラス」のインタビュー拡大版では、「あえて『FF7リメイク』を出した理由」「クラウドゲームに対する考え方」「ゲームAIの可能性」などについても詳しく語っている。
印南 志帆 東洋経済 記者

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いんなみ しほ / Shiho Innami

早稲田大学大学院卒業後、東洋経済新報社に入社。流通・小売業界、総合電機業界などの担当記者、「東洋経済オンライン」編集部などを経て、現在は『週刊東洋経済』の巻頭特集を担当。過去に手がけた特集に「半導体 止まらぬ熱狂」「女性を伸ばす会社 潰す会社」「製薬 サバイバル」などがある。私生活では平安時代の歴史が好き。1児の親。

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