ただ、そのやり方に普遍的なものはない。同じ『FF(ファイナル・ファンタジー)』であっても、ユーザーはタイトルごとに固有の価値を見出しているからだ。
作り手の狙いが必ずしも受け入れられるとは限らず、作り手の意図しないところで爆発的な盛り上がりを見せることもある。それが難しいところであり、面白くもある。
重要なのは(さまざまなタイプのゲームで)ポートフォリオを組んで運営していくことだ。定番シリーズを収益基盤として持っておきつつ、新しいタイトルに挑戦していく。打席に立っていかないといけない。
逆風下で好調なスタートを切った
――スクエニの場合、『ドラゴンクエスト』、『FF』のシリーズが2大収益基盤です。今年4月に発売された『FF7リメイク』は、コロナが深刻だったタイミングだったにもかかわらず、好調なスタートでした。
発売3日間の販売本数は350万本を超えた。逆風下では、善戦したといえる。主力市場の欧米でコロナによる都市封鎖が実施され、小売店が閉まる中で、パッケージソフトの生産量を絞らざるをえなかったからだ。
一方、ポジティブな変化もあった。小売店が閉鎖されたことで、これまでダウンロード販売があまり普及していなかったヨーロッパの一部地域などでもデジタル化が進んだのだ。
『FF7リメイク』は、発売3日間の4~5割がダウンロードによるデジタル購入だった。当社のタイトルの中でも、これまでにない高水準だ。店頭で買えずやむなくデジタル版を購入したお客様の中には、実際に使うことでその手軽さに気付き「今後もデジタル版を買おう」と思った方も多いのではないか。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら