グーグルが「ドローン買収」で実現したいこと ネット企業の「空中戦」が始まる

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2次的な効果とアマゾンの動き

インターネット企業がネット接続を提供するために自社の飛行機を飛ばすようになると、ネット接続以外の活用を行うことができるようになる。

たとえばグーグルは航空写真を活用したGoogle Mapsを提供しており、事件や災害などが起きた際には該当地域の衛星写真を取り寄せて反映させるといった対応を行っている。もし自社でDroneを飛ばし、ここにカメラを搭載していれば、オンデマンドで航空写真をユーザーに提供できるようになる。

また、これまで商業衛星によって実現してきた衛星放送や中継などを、Droneを活用して行うようになるとすれば、メディアやコンテンツの業界に与える影響も考えられる。

ちょうど米国では、ケーブルテレビ企業大手の合併や、ネットフリックスやHulu、アップルといったネットを介してコンテンツを提供する企業の成長など、メディアの再編が行われているところだ。前述のとおり、Project Loonで得られる通信速度は3G程度であることから、ハイビジョンや4Kといった高品位な映像が扱えるようになるには時間がかかりそうだが、これまでとは違う流通経路ができることは、変化をもたらしうる。

もう1社、本連載でおなじみの企業が無人飛行機に興味を持っているので、最後にご紹介しよう。その企業はアマゾンだ。「Amazon Prime Air」というプロジェクト名で、無人の小さなヘリコプターが30分以内に商品を配送センターから自宅まで届けるという仕組みだ(参考)。米国連邦航空局(FAA)の証人を待って、2015年にサービスを開始しようとしている。

確かにPrime Airの話を聞いたときには、エイプリルフールの話題のようにも聞こえたが、グーグルのTitan買収やフェイスブックのConnectivity Labの話を聞くと、最も現実に近いプロジェクトに見えてくるから不思議だ。ネット企業が文字どおり空中戦で競い合う結果は、2015年ごろから楽しめるようになるのではないだろうか。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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