東京の町医者から見えるコロナ感染蔓延の現実 持続可能な感染制御には細やかさが必要だ

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当院が位置する台東区はお祭りが盛んな地域として有名だ。鳥越神社で毎年行われる「鳥越祭」は地元の人にとって最重要イベントである。

普段、家の中で籠もっているお爺ちゃんが「いなせな漢(おとこ)」に変身する。あれほど曲がっていた背中が反り返る。この日、町医者は「自分は人気者なのでは?」と勘違いさせてもらえる。地域の人たちが、主治医を家に招待することを誇らしく思ってくれるのだ。

いろんな人と酒を酌み交わし、雑談をする。普段会えない家族も帰省してきているので情報発信・収集するチャンスだ。在宅診療では得られない情報を得る。もちろん探偵のようにジロジロと収集しているわけではない。暗黙知として自然に増えていく。

しかし、残念ながら本来ならば6月5~7日に予定されていた今年のお祭りは、新型コロナのせいで、すべて中止だった。

「逆にどうやって感染(うつ)るのか教えてくれない?」

私はコロナ妄想で自粛している、ある高齢者にこう声をかけた。私からすればコロナ対策よりむしろ、生活習慣病や筋力低下に気をつけることのほうが重要な患者さんが少なくない。

高齢者は院内感染や施設内感染に注意

12年間、同じ地区で町医者をしていると患者さんの日常が手に取るようにわかる。友人関係や家族構成をある程度把握しているから個別指導ができる。

例えば、大学生の孫と同居している高齢者と、独居でほとんど外出しない高齢者で指導が異なるのは当然だ。患者さんに関する「暗黙知」が増えるほど、細やかな指導ができる。

当院の守備範囲において、新型コロナの市中感染は現段階で発生していないようだ。少なくとも報告がない。大規模な院内感染が発生した永寿総合病院を中核とする地域なので、みな過敏だ。下町なので、噂もすぐに広がる。

地域の高齢者が気をつけなければならないのは、院内感染や施設内感染だ。だから入院するような病状にならないことが大切だ。こう言っては身も蓋もないが、「健康であること」が最も重要になる。

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