また、世代ごとに何人かの女性タレントを起用したのですが、オンエア後の問い合わせはメディア露出がいちばん少なかった飯島直子さんに集中したんです。
実は、飯島直子さんの起用は27歳若手社員の意見によるものでした。「お客様の心を動かしたい」という目標のためには、まずはプロセスの中にいるスタッフや販売現場にいる人の気持ちをいかに動かせるかが大事だということを強く感じました。
--副社長から社長に就任されました。社長になる前と後で違いはありましたか。
副社長時代に社長代行はやっていたのですが、実際、社長に就いたときの責任の重さはまったく比較にならない。コカ・コーラは市場主義の代表みたいな会社ですし、日本の業績は連結ベースでの影響度が大きい。
日本の夜にアメリカの株式市場は開く。ですから、株価を気にして最初は眠れませんでした。
日本コカ・コーラは関連会社を含め正社員2万5000人、契約社員やアルバイトを入れて計4万5000人、家族も合わせると10万人規模の企業です。私たちの作る商品や広告がこの人たちの生活に影響を与えるわけです。
かかわるすべての人を何とかしてハッピーにしたいと思っていたので、社長の責任は非常に重いと感じていました。
(写真:田中庸介/アフロ)
日本コカ・コーラ株式会社取締役会長。1954年奈良県生まれ、同志社大学文学部卒業、米国コロンビア大学ビジネススクールにてMBA取得。77年ライオン入社、販売とマーケティング関連職を歴任。91年フィリップモリスの食品事業部門であるクラフト・ジャパン副社長、日本事業の統括責任者を務める。94年、日本コカ・コーラ入社、副社長コンシューマーマーケティングナショナルブランド担当。2001年社長就任。06年会長就任。08年NTTドコモ顧問就任。
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