日本コカ・コーラ取締役会長・魚谷雅彦(Part5・最終回)--マーケティングは人生そのものだ

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日本コカ・コーラ取締役会長・魚谷雅彦(Part5・最終回)--マーケティングは人生そのものだ

■ CEOへの道は、職業としての“社長”を選び、第一線で活躍するプロによるトークセッション。将来、経営層を目指すオーディエンスに、自らの経験とノウハウを語る。

--「爽健美茶」、「No Reason」など、人の心を動かすようなコピーやアイデアはどこから発想がわいてくるのですか。

言葉は重要です。マーケティングの仕事のみならず、人生や家族間でも小さな言葉で雰囲気をよくしたり逆に傷つけてしまったりすることがありますからね。

日本は日本語も英語も日常にあふれていて言葉に恵まれた国です。特に広告の世界は英語だらけ。英語力をつけて言葉の引き出しを増やすことは必要でしょう。

発想は、考えに考え抜くしかありません。仕事としてやらされているという気持ちではダメ。問題意識をいかに持つかが重要です。ベッドの横にもペンと紙を置く。

たいてい夜思いついたものはつまらないのですが(笑)、クリエーティブなアイデアは机に向っていても出てきません。僕は思いつめている状況の末、朝シャワーを浴びたときに思い浮かぶことが多いですね。

社員に対しても、君らが作るんだぞと追い込みます。爽健美茶もジョージアの時も、24時間追い込まれたから、彼らは今までにない発想に転換できたのだと思います。

--マーケティングの責任者、CMO(チーム・マーケティング・オフィサー)のような職は日本に定着するでしょうか。

大手企業の経営者もなかなか理解してくれないのですが、企業がマーケティングの概念を“経営”としてとらえることが必要です。

マーケティングとは何かという質問に対し、アメリカ人経営者は企業経営そのものと答えるのに、典型的な日本の経営者は広告やプロモーションと答えます。ピーター・ドラッカーの「マーケティングとイノベーションは企業の柱だ」という発想のように広い意味合いでとらえてほしい。

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