--入社していきなりのミッション。まず何に着手されたのでしょうか。
新しい会社に入ったときや新しい組織の長になったとき、人と1対1でディスカッションすることはとても有効だと思っています。
「みんなの努力はわかるけど、残念な状況なので一緒に何とかしよう。何が問題でどうすれば問題解決になると思うか、ぜひ率直に言ってくれ」と、一人ひとりに意見を聞きました。
新天地では、形式上の権限や責任があっても実際のビジネスの知識はないので、人から謙虚に学ばないといけません。部下に一回り年上の社員もいたりするわけです。彼らからすれば外部からやって来た若いヤツが上司になって、いい気持ちであるはずがありませんよね。
責任は自分にあるけれど、部下を尊重していいところを引き出すという姿勢が大切です。話しにくいことを話すわけですから、ジョークの一つもきかせて和やかな雰囲気を作り、否定的でなく前向きな話になるよう気をつけました。
--1対1のディスカッションを丁寧にやるという点は、成功されている経営者の特徴として共通しています。成果はありましたか。
部下たちの話から、ブランド力の問題や広告の問題が浮上しました。本社から押し付けられたものをやっていて、日本でやりたいと思うものはすべて否定されてきたこともわかりました。
「ならば君らのやりたいと思うことをやろうよ」と言ったのですが、そんなに甘くないと言われたりして、部下をその気にさせるのに時間がかかりましたね。