日本コカ・コーラ取締役会長・魚谷雅彦(Part3)--一晩で欧州のオーナー型企業から、ウォールストリート型のアメリカ企業に変わってしまったんです

日本コカ・コーラ取締役会長・魚谷雅彦(Part3)--一晩で欧州のオーナー型企業から、ウォールストリート型のアメリカ企業に変わってしまったんです

■ CEOへの道は、職業としての“社長”を選び、第一線で活躍するプロによるトークセッション。将来、経営層を目指すオーディエンスに、自らの経験とノウハウを語る。

--ライオンを辞めてシティバンクへ転職されました。消費財から金融への転身です。

アメリカ留学の影響もありますが、将来はいわゆる社長やCEOなど組織の上に立つ仕事をしたいと思いました。モノ作りのマーケティングは1人ではできない仕事で、年齢も性別もバックグラウンドも違う人がかかわります。

多くの人を巻き込んで1つのことを成し遂げていくことに喜びや自己実現を感じていたので、自分は起業家よりもコーポレートのトップに向いている人間だと思っていました。経営者になるためにはファイナンスの視点が必要だと思っていた時、とあるヘッドハンティングの人がやってきたんです。

シティバンクが、もっと付加価値のある商品を売るために、企業戦略がわかる人の採用を考えているとのことでした。マーケティングの発想を採り入れ、特別チームを作ってやるという話だったので、面白そうだなと思って移ったんです。

ところが、初日から自分に合わないと思いましたね(笑)。金利や為替など考えたこともない話が飛び交う中、たいへん疲れたのを覚えています。

そうは言いながらも、いくつかの日本企業を分析し、この会社にはどういうマーケティングや経営が必要で、どういうファイナンシャルプログラムが売れるかという戦略をプレゼンをしました。

ラッキーなことにある日本企業との間で、世界中で誰もできなかった取引ができでしまい、数億円儲かったんです。歯ブラシを売ってこんなに儲けるのはたいへんなことですよ(笑)。原体験が消費財のメーカーなので、会議や電話を数回して何億円も儲かるなんてどこかおかしいと思ってしまいました。

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