電動バイクを本格展開、ホンダの狙いはあの国 2016年をメドに市販開始へ

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二輪世界最大手のホンダが電動バイクを本格展開する。同社が4月16日に開催した二輪の技術発表会で、二輪開発の責任者である野村欣滋・本田技術研究所常務二輪R&Dセンター担当が明らかにした。2016年頃までに販売を開始する予定だ。

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リース販売している電動バイク「EV-neo」

ホンダは1990年代から電動バイクの試験販売を行っており、直近では、2010年に国内でスクーター型の電動バイク「EV-neo」を投入している。ただ、これは業務用のリース販売で、価格も50万円前後とガソリン車に比べて高い。実質的には試験販売の域を出ていない。

現在、ホンダが電動バイクの本格展開を検討しているのは中国だ。中国では、環境対策もあって都市部を中心にエンジンバイクが規制されており、すでに電動バイクが二輪車市場の主流になっている。2013年における中国の電動バイク販売台数(電動自転車も含む)は、約4000万台でプラス成長を維持していると見られる。一方、エンジンバイクは1000万台強でマイナスになっている。手軽な足としてのバイクは、完全に電動化へシフトしているといっていい。

鉛バッテリーが現在の主流

中国で普及している電動バイクは、安価な鉛バッテリーを搭載したものが中心だ。性能は低いものの、価格も極めて安く、ホンダのような大手のエンジンバイクメーカーが手掛けられるような市場環境ではなかった。

しかし最近は、庶民が安価な足として使う電動バイクだけでなく、「リチウムイオン電池を用いた性能の高い電動バイクも登場しており、自動車を保有する余裕のある家庭の主婦が日常の足として使う需要も生まれている」(野村氏)という。この分野であれば、低価格一辺倒ではないうえ、バイク・四輪車で培ったホンダのブランドも生きる。ネックとなるリチウムイオン電池の価格も下がってきており、商品化にメドが立ちつつある。

ホンダの中国でのバイク販売は2013年で135万台。縮小傾向にあるエンジンバイク市場の中で、性能の高さやブランド力をテコに前年比で5%伸ばした。ただ「中国でバイク事業をしていくには、主流となっている電動バイクをいずれはやらざるをえない」と野村氏は言う。

中国での電動バイクの販売が進めば、性能の向上やコスト削減などが見込める。日本など先進国でも電動バイクが普及するきっかけになるかもしれない。

丸山 尚文 東洋経済 記者

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まるやま たかふみ / Takafumi Maruyama

個人向け株式投資雑誌『会社四季報プロ500』編集長。『週刊東洋経済』編集部、「東洋経済オンライン」編集長、通信、自動車業界担当などを経て現職

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