母に過重負担の日本で女性活躍なんてムリな訳

コロナ禍での家庭教育増加でますます遠のく

この状況で「家庭学習は母親の役割」となれば仕事と家庭の両立は到底困難になってくる(写真:sirikornt/PIXTA)

世界のリーダーたちが2015年に国際社会共通の17の目標を定めたSDGs(持続可能な開発目標)において、5番目のゴールは「ジェンダー平等を実現しよう」。このゴールについて「日本の達成は遠い」と世界から揶揄されつつも、政府は「女性活躍」「1億総活躍」に力を入れてきた……はず、と思っていたところ、こんなニュースが飛び込んできた。

「政府が女性活躍の目玉として掲げてきた『指導的地位に占める女性の割合を30%程度』という目標の達成年限を2020年から2030年までの可能な限り早期に繰り延べする調整に入った」というのだ。厚生労働省が発表した「平成30年度雇用均等基本調査(確報)」によると、管理職に占める女性の割合は11.8%。そもそも女性管理職を有する企業が21.7%にすぎない。確かに目標は果てしなく遠い。

この「2020年30%」は何も安倍政権が言い出したことではない。はるか昔、2003年6月、小泉内閣時代に決定した目標であった。2006年世界経済フォーラム(WEF)がジェンダーギャップ指数を発表し始めた当初、日本は115カ国中80位であった。

そこから世界が大きく変化する中、2019年の調査では153カ国中121位。先進国の中でもアジアの中でも最下位。相対的に悪化の一途をたどる日本のジェンダーギャップ、この先どこまでこの順位を落とすのだろうか。

コロナ禍の意識・行動変容は何をもたらした?

内閣府が行った「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」によると、全国で正規・非正規問わず34.6%(東京23区に限っては55.5%)がテレワークを経験している。そのテレワーク経験者たちは、通常勤務の人々に比べワークライフバランスや仕事に対しての意識が各段に変化している。

外部配信先では図表やグラフを全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

つまり、否が応でも行動変化をせねばならなくなった人たちは、その行動の変化により意識に変化を生じたのである。

さらに子育て世帯に限った調査で見てみると、30%強が「家事育児の役割分担を工夫するにようになった」と答え、そのうちの95.3%が「役割分担を工夫する」と答えている。

家事・育児が工夫され、それが継続していくことと仮定すれば、女性の活躍や管理職登用だって進みそうなものである。ジェンダーギャップの改善にも期待がかかる。

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