株価が再び急落するリスクは消えていない

今の景気回復はV字型でもL字型でもない

特別定額給付金など、経済政策が株価の下支えとなっているのは間違いないが・・・(Graphs/PIXTA)

まったく先が見えなかった3月。かすかな光明が差し込んだ4月。トンネルの出口がみえた5月。一瞬コロナ禍などなかったかのように思えた6月。このように金融市場の空気は数カ月で激変した。今やNASDAQ総合指数は史上最高値を一時更新。日経平均株価も急落したかなりの部分を取り戻し、「コロナ前の高値更新も」といった声すら聞こえてくるようになった。

リバウンド相場の立役者は政策サポートだが…

3月19日に日経平均が1万6358円(取引時間中)をつけた時点で、6月9日の戻り高値2万3185円(同)を予想していた投資家はかなり少数だろう。4月以降の株価リバウンドは筆者の予想をはるかに上回るペースであった。目下の株価リバウンドの背景は(1)強力な政策サポートと(2)経済活動再開に対する期待、に大別される。このうち株価回復の初期段階において重要な役割を果たしたのは、各国政府が講じた景気対策だ。

3月下旬、経済見通しや新型コロナウイルスの感染状況が悪化の一途をたどっていたにもかかわらず、そこで株価が下げ止まったのは政策サポートの貢献が大きいと考えるのが自然だろう。先行きは(1)と(2)両者のバランスが重要となる。その点で、筆者は政策サポートの後退が金融市場を揺るがす展開を警戒している。

「株価急落vs.政策サポート」とも言える闘い。コロナ危機においては、今のところ「政策サポートの勝利」であるが、過去、この双方がぶつかり合ったリーマンショック、欧州債務問題、あるいは日本のバブル崩壊から金融システム不安に至るまでの不況では、政策サポートで株価急落を食い止めることはできなかった。

上記3ケースのように人々の行きすぎた経済活動の結果として生じた経済危機では、公的セクターによる救済に際し、人々の利害対立から政策的救済が遅々として進まず、その間に傷が深くなってしまう傾向があった。経済全体に必要とされていても、特定の国やセクターや企業のために政策ツールを用いることのハードルは高かった。

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