次の民主党「副大統領」かつてないほど重要な訳 バイデンにとっては副大統領以上の存在に

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もし大統領にバイデンが選ばれれば、バイデンの選んだ副大統領候補は初の女性副大統領となるのに加えて、2024年の大統領選挙においても民主党の主要な大統領候補となる。こうした理由からも、バイデンの選択は歴史的なものになりうるのだ。

誰ならバイデンを勝たせられるか、誰なら副大統領として最善の補佐役になれるか、誰なら大統領の代理を務められるか、誰なら2024年以降の民主党の最善のリーダーになれるか。ここまで述べてきた4つの基準はどれも重要だ。

最も重要な「シンパティコ」

だが、すべての基準の中で最も重要な基準とは、バイデン自身が挙げた「シンパティコ (simpatico)」という言葉にある。その意味とは、バイデンと個人的にも政治的にも相性が良く、選挙キャンペーンと大統領としての職務の補佐を信頼して任せることのできる人物である。

モンデール元副大統領の首席補佐官を務めていたリチャード・モーは2020年4月に次のように書いている。

「さまざまなことを考慮しても、目に見えない要素(シンパティコ)こそが飛びぬけて最も重要な要素であり、それは疑う余地がないだろう。ジョー・バイデンにとって最善の政治的決断とは、アメリカ合衆国の大統領として相応しい、そして人々から相応しいと思われる、女性を選ぶことになるだろう」。

選挙までほぼ5カ月が残っており、結果を予測することにはリスクを伴う。今から11月3日までの間に何が起こっても不思議でないからだ。

例えば、国家安全保障会議・大統領補佐官を務めていたジョン・ボルトンがトランプの大統領としての無能さと不適格さを暴いた本が先週出版されているが、それと似たような本があと1冊か2冊出版されれば、トランプ支持は弱まり、共和党員ですら彼から離れていく可能性がある。

一方で、歴史を振り返ると、アメリカへのテロ攻撃が起きるなどした場合には、アメリカ国民は現職の大統領を団結して支持している。

11月3日の選挙に勝利した大統領は次の4つの主要な課題に直面するだろう。新型コロナウイルスによる公共医療の危機、それに続く経済の壊滅状態の立て直し、ブラック・ライブズ・マターに象徴される人種間の不平等の是正、そして国際社会におけるアメリカの役割の復興である。

こうした取り組みに成功するためには、大統領は能力と経験があり、極めて相性の良い「シンパティコ」な副大統領からの支援が不可欠になるだろう。トランプはすでに選択を行った。次はバイデンが決める番である。

グレン・S・フクシマ 米国先端政策研究所(CAP) 上級研究員

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Glen S. Fukushima

ワシントンD.C.のシンクタンク「米国先端政策研究所(CAP)」の上級研究員。カリフォルニア州出身で、アメリカ合衆国通商代表部で対日と対中を担当する代表補代理や在日米国商工会議所の会頭を務めた経歴を持つ。また、ハーバード大学の大学院生のときには、エドウィン・ライシャワー教授、エズラ・ヴォーゲル教授、デイヴィッド・リースマン教授の助手を務めた。

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