マッチングの精度を上げる方法
目標採用数をクリアするためには、大きな母集団を作って、とにかく会社のことを伝えていくしかない点は、おわかりいただけたと思います。
しかし、数字を追うあまり、応募者にミスマッチな人が増え、マッチングの精度が下がってしまうのではないかと、疑問を持つ人もいるかもしれません。事実はむしろ逆で、たくさんの人にお会いすればするほど、精度は確実に向上していきました。
たとえばリンクトインやビズリーチなどで、時には十分ではない経歴情報でお声がけしなくてはならない場合。この業界のこの会社とうちの会社の社風は共通するところがあるとか、こんな職務経歴書を書いてくる人はこういう傾向が強いなど、数をこなすうちにわかってくるコツや勘があります。
何百人、何千人と面接をしていると、相手を一目見るだけで「この人はうちの会社に合うか否か」が直感的にわかるようになってきます。こればかりは、他人に説明するのが難しいスキルです。ある程度、数をこなし、時には失敗も重ねないと身に付かないスキルと言えるでしょう。
考えてみれば、ほかの仕事も同じです。おすし屋さんが築地でよい魚を見極められるようになるのも、経験と数が勝負です。お医者さんだって、手術経験が5人の先生よりも、500人の先生のほうがその手術に精通していると判断されるはずです。
このように、ほかの仕事であれば数をこなしてスキルを上げていくのは当然のことなのに、採用活動になったとたんに、「ご縁」「出会い」といった言葉に逃げてしまう人が多いように感じます。
競争力の高いグローバル企業においては、すでに人材獲得競争が熱を帯びています。優秀な人材の採用を止めてしまったら、これ以上の成長はかなわない。そのぐらいの気持ちで採用に向き合っていかなければなりません。
(構成:朝倉真弓)
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