過激な挑発行動に出た「北朝鮮」のあまりの窮状 新型コロナで国内の不満がマックスに

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南北連絡事務所を爆破した北朝鮮政府(写真:KCNA via REUTERS)

北朝鮮と韓国の間で緊張が高まるにつれ、金正恩朝鮮労働党委員長の妹、金与正の役割に注目が集まっている。韓国に対する意地悪く、挑発的な攻撃の顔として浮上している。

かつては韓国に対する北朝鮮の「微笑み外交」の象徴であった金与正だが、今では韓国の文在寅大統領をうならせるような口調で非難している。最近の公の場での発言では、金与正は軍事力を発揮して南を脅し、2年以上の南北関係の象徴を文字どおり破壊する用意があると主張している。

金正恩の発言は、ほとんど見えないところで行われているため、彼の健康状態をめぐる臆測は今も続いている。しかし、北朝鮮の内部をより深く観察すると、この新たな危機の背後にある別の犯人、新型コロナウイルスが浮かび上がってきた。

韓国に「助け」を求めている

北朝鮮経済は、すでに国際的な制裁によるダメージを受けていたが、中国からのウイルス拡散を防ぐために国を封鎖したことでさらに厳しい状況に陥っている。この経済的苦境は、金政権にとって国民をコントロールするうえでのさらなる足かせとなっている。そして、これによって外部からの支援がかつてないほど必要になっているのだ。

挑発行動を行っている背景には、韓国政府に「アメリカ主導の制裁体制からの脱却」を促す意図があると、韓国に駐屯するアメリカ人政府高官は語る。同氏によると、「北朝鮮政府は韓国政府が(北に)資金を送ることができるような法律を作ることを望んでいる」。つまり、国際的な制裁を回避して北朝鮮との貿易や同国への投資に関する制限を撤廃するよう求めているというのだ。

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