過激な挑発行動に出た「北朝鮮」のあまりの窮状 新型コロナで国内の不満がマックスに

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この時期になると、前回の収穫分の在庫が枯渇し、生鮮食料が不足するため、食料の供給がつねに不足している。「とくに農業が容易ではない遠隔地に住んでいる人たちにとっては非常に厳しい状況だ」と職員は話す。

「春と夏はいつも厳しい。貿易は今、ほぼ停止状態にあり、貨物は検疫の影響が出ている。内陸移送に必要なガソリンも足りない。こうしたことすべてが、ますます政権に圧力をかけている」(支援機関職員)

アメリカからの脱却迫る金政権

6月の政治局会議での第2項目は、同じように 「首都の生活条件の確保という当面の問題 」を物語っていた。 これは、平壌に住む中核的なエリートたちの忠誠心を得るために欠かせない物資の流れを、政権が維持するのに苦労していることの表れである。

昨年のハノイでの失敗以降、北朝鮮政府はアメリカから独立して行動できない韓国政府を批判したが、今回の攻撃は、文政権と与党進歩党への強要の試みを明確にステップアップさせたものである。「南北合意が実施の一歩さえ踏み出せなかったのは、親米派の縄で縛られていたからだ」と金与正は6月17日の声明で書いている。

文政権が北に財政を開放する準備ができているかどうかは、まだわからない。これまでのところ、北朝鮮の動きは挑発が過ぎないよう慎重に調整されてきている。南北共同連絡事務所を爆破するという最初のステップは、北朝鮮の領土内で行われた。国境地域の非武装化の進展を解体するという脅迫的な動きでさえ、米軍や国連軍司令部の部隊に直接触れることはない。

「彼らはこれで時間稼ぎをするつもりだ」とアメリカの政府当局者は見る。「これがすぐにエスカレートするような衝動性は感じられない。金政権は一線を越えるかもしれないが、彼らが合理的に考えているのであれば、何か行動を起こした後に文政権がどう反応するか確認し、それから再び圧力をかける」。

一方、北朝鮮国内においては「未解決の内戦」という名の下の締め付けにうんざりしている国民にとって真の答えが得られない体制への反感がさらに強まることは避けられない。

ダニエル・スナイダー スタンフォード大学講師

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Daniel Sneider

クリスチャン・サイエンス・ モニター紙の東京支局長・モスクワ支局長、サンノゼ・マーキュリー・ニュース紙の編集者・コラムニストなど、ジャーナリストとして長年の経験を積み、現職に至る。

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