高速道路の「インターチェンジ改名」が珍しい訳

名前変えるメリット、変えないメリットとは

一方、鉄道の駅では、駅名を市町名に合わせて改称することは珍しくなく、JR発足直後には、「白木原」⇒「大野城」(JR鹿児島線、福岡県)、「加久藤」⇒「えびの」(JR吉都線、宮崎県)、「筑後千足」⇒「うきは」(JR久大線、福岡県)などがあるし、今年になってJR常磐線の「佐貫」が「龍ケ崎市」へと改称された。市のHPには変更の経緯が記載されているが、知名度の低い自治体名の認知度向上が目的だと記されている。

ほかにも、観光地であることを強調するために、「温泉」を付加するケース(「城崎温泉」「武雄温泉」「石和温泉」のように)や、最寄りの大学名を併記して「深草」⇒「龍谷大前深草」(京阪電鉄、2020年)、「石橋」⇒「石橋阪大前」(阪急電鉄、2019年)などの例がある。

石川PAや談合坂SAは改名の可能性低い

SAやPAの名称変更について、今年から来年にかけて前述の2件のほかでは、1996年に東北道の「相去PA」が「北上金ヶ崎PA」に、2013年に名神の「秦荘PA」が「湖東三山PA」に変更された例などがある。

後者は、以前あった自治体名(2006年まで秦荘町が存在、この年合併で愛荘町となり、自治体名としての秦荘の名は消滅)から湖東三山という名刹の観光地名への変更で、湯田PA、上郷SAの場合と同様、スマートICが休憩施設に併設されることにより、その名称を付ける際に併せてSA、PAの名称を変更したという例である。

上郷SA(下り)のスタンプ。2021年には豊田上郷に変わる(筆者撮影)

逆にこうしたケース以外、すでに定着したSA、PAの名称の変更は難しいということである。中央道の最も東京寄りにある石川PAは、それだけでは具体的な地名と結びつきにくいので、所在地の「八王子PA」への変更を求める声もあると聞くが、単独でPAだけ名前を変えることはこれまでの定着度やコストの面で難しいという。

中央道では、SAとしては一番東京寄りに「談合坂SA」があるが、関東のドライバーにはすっかり定着しているので、いまさら所在地の「上野原SA」に変える必要はないと考えられるし、首都圏では最も知名度が高く利用者が最も多い東名の「海老名SA」などは、地元の海老名市の知名度向上に相当の貢献をしているといえるだろう。

上郷SAの頭に「豊田」をつけることが発表されたのは、今年の2月14日だが、ネクスコ中日本では、「お客さまの利便性を考慮して、現市名である『豊田』を附した名称とすることで所在地がより明確となり、分かりやすいご案内が可能となるため、スマートICおよびSAの位置する市名および具体的な地域名を用いた名称としました」としている。

こうした変更のほかに近年開通した新規のICでは、長い名前が付けられることが多くなった。大分農業文化公園IC(大分道)、大井川焼津藤枝スマートIC(東名)、三沢・十和田・下田IC(第二みちのく有料道路)などは、IC名というよりは、降りた先の目的地を示しているのかと思うほどの長さである。

たかが名前、されど名前。地名が持つ面白さに加えて、こうした命名の妙を味わいながら次々とICやSA・PAを通過していくのも、高速道路を走る楽しみの1つではないだろうか。

【2020年6月22日17時54分追記】初出時、IC名やPA名の変更例について不正確な部分があったので補足しました。

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