マスク着用のまま「夏を迎える」のがヤバい理由 今年は猛暑か「熱中症警戒アラート」運用開始へ
熱中症の症状は、倦怠感、頭痛、発熱、筋肉痛、味覚障害などが挙げられます。
これらは、新型コロナウイルス感染症の初期症状と類似しているため、どちらかすぐに見分けがつかず医療現場に混乱を招くおそれがあると指摘されています。
医療体制を守るためにも、例年以上に熱中症予防を意識した行動をすることが大切です。もし、先に挙げたような症状で病院を受診することになった際は、熱中症の危険性が高い環境にいたかどうかなどを伝えるようにしましょう。
「熱中症警戒アラート」がスタート
今年7月から、熱中症への警戒を呼びかける「熱中症警戒アラート」が始まります。環境省と気象庁が共同で運用し、熱中症の危険が極めて高いことが予想される前日の夕方と当日の朝に発表される予定です。
関東甲信地方の1都8県を対象に今年7月から10月まで運用され、気象庁HPなどで見ることができます。具体的な行動についても記載されるので、熱中症予防に役立てるのも良いでしょう。
環境省と気象庁は、今年運用した効果などについて検証して、来年から全国に導入する方針です。
「熱中症警戒アラート」の発表には、環境省が提供している「暑さ指数(WBGT=Wet Bulb Globe Temperature)」が活用されます。これは、気温だけでなく湿度や日差しの強さなどの気象条件を考慮して、熱中症の危険性を示すもので、暑さ指数と熱中症の搬送者数や死者数との関連性は高いとされています。
単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されますが、その値は気温とは異なります。暑さ指数が28℃以上になると、熱中症になる人が急増します。暑さ指数と熱中症の関係は、21℃未満は「ほぼ安全」、21℃以上25℃未満は「注意」、25℃以上28℃未満は「警戒」、28℃以上31℃未満は「厳重警戒」、31℃以上は「危険」(運動は原則中止)です。
気温がそれほど高くなくても、湿度が高いと「暑さ指数」は高くなります。カラッとした暑さよりもムシムシした暑さの方が熱中症リスクが高いのです。
輻射熱がない条件の下、暑さ指数と気温と湿度の関係を示した図を見てみると、「気温28℃・湿度75%」と「気温35℃・湿度35%」とは、暑さ指数は同じです。気温が低いと油断しがちですが、熱中症に厳重警戒が必要だといえます。
気象庁HPのアメダスで、気温と湿度を調べられます。また、「Yahoo!天気」や「ウェザーニュース」などのアプリで、現在地の気温と湿度を知ることができます。
6月8日は関東甲信の梅雨入り平年日です。梅雨の合間に突然気温が上がったときや、むし暑い日には熱中症が起こりやすくなります。早めの暑熱順化やこまめな水分補給など、例年以上に熱中症予防を心がけましょう。
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