「美人が条件」43歳男性の強気婚活が成就した訳 要求水準が高いのにあわせ自分を"大改造"

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当時、正弘さんの収入は400万円弱。髪はやや薄くなっていて、168センチで体重は78キロあった。正弘さんによれば、それに加えて自営業であることが忌避された理由だが、彼が「高望み」をして譲らないことも入会を断わられた原因かもしれない。

「中高時代の同級生に合コンをしてもらったこともあります。でも、この年齢まで残っているのは悪い意味で『こんな人、いたんだ』と思うほどの見た目の人。残り者同士ではうまくいかないと思いました」

正弘さんは「妥協」するのではなく、努力をして自分の「価値」を上げることにした。収入を500万円にまで伸ばした段階で、別の大手結婚情報サービス会社を訪れる。無事に入会できたが、半年間で誰ともお見合いできずに終わってしまった。

「申し込みはなかったので、僕のほうから5人ぐらいに申し込みました。でも、全滅です。『メタボは嫌いです』とはっきり断られたこともあります」

その次に入ったのは大手の結婚相談所である。情報サービスとの最大の違いは、担当のカウンセラーがついてお見合いをセッティングしたりお見合いの前後でアドバイスをしてくれることだ。正弘さんは九州にまで出向いてお見合いをしたが、2度目以降につながることは皆無に等しかった。「医者もしくは年収1000万円以上を求める女性」が多く、自分は相手にされなかったと正弘さんは振り返る。

筆者はその大手結婚相談所に取材したことがあるが、実際はそのような女性会員ばかりではない。ただし、正弘さんが求めるような容姿や学歴の女性は高い条件の男性との結婚を望むことも多く、正弘さんとはミスマッチが生じたのだと思う。

「あまりにも会ってもらえないので、婚活ブログなどをたくさん読んで勉強しました。そして、『清潔感』というものが大事なのだとわかってきたんです」

女性の反応が明らかに変わった

正弘さんの努力と変身は上述のとおりである。学歴や職業はなかなか変えられないが、容姿や収入を改善することは可能なのだ。ただし、スマートになって年収が1200万円に達しても自信がついたわけではない。

「僕自身の気持ちは何も変わってないと思います。いまだに声が小さいですから……。でも、女性の反応は明らかに変わりました」

そして、3年前に正弘さんは個人経営の結婚相談所に入った。そこでは80人以上の女性とお見合いすることができ、そのうちの1人が裕子さんだった。まさに正弘さん好みの容姿である。

「芸能人の誰かに似ているとかではありません。街中で見かけるような美人であればいいんです。こういう人を奥さんにもらえたらいいな、ずっと一緒にいたいなとすぐに思いました。ええ、見た目だけの判断です」

正弘さん、あくまでも率直な男性である。しかし、8年間の婚活によって経験は重ねており、ようやく巡り合えた好みのタイプである裕子さんには積極的にアプローチした。

次ページ4カ月後に交際をスタートし、その2カ月後に婚約
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