4項目で独自評価「大学 シン・序列」ランキング 就職力は早稲田、国際力は大分のAPUがトップ

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そんな中、大学選びにも変化が生まれている。「ただ入試を突破するだけでなく、大学にはいってから何を勉強するか、社会に入ってからどう貢献できるかなどを自己分析しながら志望校を選んでいる」(川崎室長)という。

偏差値だけではなく、学べる内容や環境で選ぶ傾向が強まっている。では、偏差値以外で学校を図る尺度はないか――。受験生にも参考になる、指標をつくるために、各種データを用いて独自に作成したのが、「名門大学シン・序列」ランキングだ。

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ここでは大学の4つの力にわけて評価している。1つ目は、学生に付加価値を与える「教育・研究力」、2つ目は、教育力のわかりやすい成果である「就職力」、3つ目はそうしたアウトプットの基盤となる「財務力」で、そして最後はグローバル時代への対応力をみる「国際力」だ。それぞれの力を表す3~4の定量データを選び評価。これまでの偏差値序列などの定番のランキングとは異なり、それぞれの分野に強い大学が見えてくるはずだ。

なお、この4項目トータルで評価したランキングが、週刊東洋経済の臨時増刊号『本当に強い大学』で毎年行っている「本当に強い大学ランキング」となる。

ランキングの対象は、東洋経済が2~3月に行ったアンケートに回答があった大学のうち、財務諸表が入手できた大学。比較が難しい、株式会社立大学や文部科学省管轄外の法人、大学院大学、専門職大学は除いた。対象は576大学だ。

各指標の数値を偏差値にし、さらにカテゴリーごとの平均値を算出し、それをポイントとした。ここでは1位のポイントを100とし、以下を指数化している。それぞれの指標の概要については最後に記した計算方法のとおり。なお財務データと、入学定員倍率については、基準や方式が異なるため国公立と私立に分けて、それぞれ偏差値を算出している。

教育・研究は旧帝大強し

ここではその上位20位を紹介していきたい。

「教育・研究力」は、科学研究費補助金の多さや、教育・研究にどれだけお金をかけているかといった尺度で評価。1位は東京大学で、2位京都大学、3位大阪大学など旧帝大がそのまま上位7位を占めている。

就職力は就職率のほか、有名企業への就職率や上場企業の役員数で判断した。1位が早稲田大学で、2位慶応大学、3位東京大学と続く。なお、慶応大は2人以下の就職先と就職者数が非公表となっているため主要企業400社への就職率のデータがない。ゼロ%扱いで計算しているが、それでも2位に食い込んでいる。

財務力は各種財務指標のほか、受験料収入の確保につながる入学定員倍率を評価の対象にしている。1位は千葉工業大学。入学定員倍率が突出しているが、志願者数は今年初めて10万人を突破するなど志願者数も多い。

国際力は外国人学生比率などのデータで評価している。海外からの留学生が半数以上を占める立命館アジア太平洋大学(APU)が1位になっている。

21位以降70位までのデータは週刊東洋経済をご覧ください。

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