ファーストリテ、一転減益予想に 広告費や人件費の高い伸びが業績を圧迫
[東京 10日 ロイター] - ファーストリテイリング <9983.T>は10日、2014年8月期の連結当期純利益見通しを前年比2.6%減の880億円に下方修正した。従来予想は1.8%増の920億円だった。当期純利益は、従来の増益予想から一転して減益見通しとなる。
通期の売上高予想は19.9%増の1兆3700億円に上方修正されたものの、広告費や人件費を含む販管費も25.5%増の5410億円と、従来予想よりも高い見通しとなった。
同社は、14年8月期の連結営業利益見通しを前年比9.5%増の1455億円に下方修正した。トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト24人の予測平均値は1563億円、会社側の従来予想は1560億円だった。
主力事業の国内ユニクロは上期(9─2月期)に増収増益を達成したものの、直近の会社計画に及ばなかった。
上期の粗利益率は、47.5%と、9─11月期の49.5%を下回った。12月末から値引きを強めたことや、シーズン末に向けた在庫処分による影響が出た。
既存店売上高は前年比2.2%増で会社計画の2.5%増をやや下回った。客数は0.5%増、客単価は1.7%増だった。
消費税増税の影響について、柳井正会長兼社長は、駆け込み需要もほとんどなく、落ち込みもないと述べた。国内経済と個人消費の見通しについては楽観視しない、としながらも、ファーストリテイリングが価格を下げることによって販売増加を図ることはないと述べた。「値下げは、同じ品質を維持して(価格を)下げるということは不可能だ」という。
グローバル事業ブランドも上期は、若干計画を下回る実績となった。低価格ファッションの「ジーユー」は、増収増益となったが、計画を若干下回った。冬のキャンペーン商品のアウター類などが計画未達で、在庫処分による値引き販売が増加した。
一方、海外事業は、大きく計画を上回った。最重要エリアの中華圏(中国・台湾・香港)では大幅な増収増益。中国では出店が順調で、既存店の二桁増収により好調な業績を維持している。
また、本格的なチェーン展開を開始した米国市場は、赤字幅が前年比で大幅に縮小した。米国事業の黒字化のタイミングについて、岡崎健CFOは具体的な約束はできないとしたうえで、「来年、再来年度くらいには事業として黒字化したい」と述べた。
(安藤律子、清水律子 編集:吉瀬邦彦)
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