なぜ北陸新幹線は全席コンセント付きなのか

「W7系」公開で明らかになった数々の"深イイ話"

会見で受け答えする川崎重工の担当者(撮影:今井康一)

その答えは「JR西日本側の理由による」と、JR西の則直久・車両設計室長は言う。JR各社は、鉄道車両を「形式番号」という数字で管理している。N700系の場合、775-1001といった具合だ(Nは省略されている)。

ただ、JR東は新幹線の形式番号の前にEというアルファベットを付けている。E5系ならE514-12といった具合である。JR西としては、「(JR東の車両番号である)Eを自社の新幹線車両に付けるわけにはいかない」(則直氏)。そんなわけで、Eの代わりWESTの頭文字であるWが採用された。存外、単純な理由であった。

E7/W7系はJR東とJR西の共同開発だが、JR東の意見が反映された部分、JR西の意見が反映された部分がそれぞれあるはずだ。その点について聞いたところ、まず、北陸本線特有の雪質を知るJR西ならではの知見が相当程度あったようだ。

それ以外で則前氏が指摘したのが、「メンテナンスのしやすさ」である。たとえば、床下の機器を覆う点検蓋は走行中にはずれないように、ボルトで頑丈に取り付けられているが、一方で、点検の際はボルトをはずす必要があり、作業時間がかかる。そこで、走行中の安全性能を保ちつつ、簡単に開け閉めできるような仕組みが取り入れられた。

なぜロングノーズではないのか

車両デザインのコンセプトは「和の未来」、キーワードは「大人の琴線に触れるような洗練されたデザインの具現化と、心と体のゆとり、開放感」である。これを実現すべく、複数の車両メーカーやデザイン事務所がコンペに参加し、最終的に川重の案が採用された。

先頭形状は、E5系のような長さ15メートルもある複雑なロングノーズではなく、長さ9メートルのシンプルな流線型である。この理由は、デザインというより、求められる性能の違いによる。

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