【産業天気図・ガラス・セメント】ガラスに液晶パネル需要も、セメントは内需激減、業界は生産力リストラへ、10年9月まで「雨」続く

予想天気
  09年10月~10年3月    10年4月~9月

ガラス・セメント業界は2010年9月まで終始「雨」が続く見通しだ。特にセメントは、内需縮小に歯止めがかからず「大雨」というべき厳しさ。業界横断的に、生産能力削減を軸とした構造改革が進みそうだ。

セメントの国内需要は、ピークだった1990年の8628万tから、2008年には4割減の5050万tに落ち込んでいる。さらに業界首位の太平洋セメント<5233>は、09年には4250万t(前年比15%減)とピーク比半分の水準を予想している。「セメント業界は奈落の底に向かっている」(徳植桂治・太平洋セメント社長)という厳しさだ。

かつてはセメン内需の60%を占めた公共投資(官需)の縮小に加えて、08年9月のリーマンショック後は民間設備投資、住宅投資の急減が追い打ちをかけている。民主党政権の「コンクリートから人へ」という政策も業界のマインドを冷やす。このため太平洋セメントは10年度、国内生産能力の30%削減を骨子とするリストラに踏み切る。

また、国内セメント内需の7割は生コン向け。生コン需要もピークに比べて半減しているが、生コン工場の生産能力は2割しか減っていない。生コン業界の構造改革も待ったなしの段階に来ている。

一方、ガラス業界は液晶パネル用基板を主体に、電子用ガラスの回復がめざましい。旭硝子<5201>によると、7~9月期は過去最高の水準になったという。このため、旭硝子の今09年12月期は、前期比減益ながら2度の増額修正を行う回復ぶりとなった。

ただ、リーマンショック後の自動車用、建築用の減収の影響は厳しい。09年1~3月を底に自動車用は回復に向かっているが、建築用は依然内外で厳しい状況が続いている。業界2位の日本板硝子<5202>は電子用の比率が10%以下と低く、日本、欧米市場の自動車、建築用に依存していることから、今10年3月期は営業赤字が続く見通しだ。
(内田 通夫)

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