増資ラッシュを担う大手証券の功罪、資本市場の地盤沈下を助長する懸念


 三井住友フィナンシャルグループ(FG)による日興コーディアル証券、日興シティグループ証券(現シティグループ証券)引受部門の買収。そして9月には、三井住友FGと大和証券グループ本社が合弁解消を発表。にわかに勃発した大型再編で勢力図はどう変わるのか--。それを見極める一つとして、引受主幹事争いが業界で注目を集めている。

折から2009年は公募増資の大ラッシュ。三菱UFJFGの1兆円増資を筆頭に、大型の増資が続いてきた。普通株公募増資は年間約5兆円とバブル崩壊後で最高額を記録。“濫発”ともいうべき異常事態だが、引受主幹事を務める大手証券にしてみれば、絶大なビジネスチャンス。シェア拡大の好機と、各社は発行体への営業攻勢に余念がない。

日興主幹事の三菱系が他社攻勢の標的か

新生・日興コーディアルは10月から総合証券として営業を開始。大和証券SMBCは三井住友の出向・転籍者が銀行へ戻ったため、改めてスタートを切った。新たな陣取り合戦になる中、主幹事証券として圧倒的な存在感を見せつけたのは、日興でも大和でもなく、野村証券だった。

エクイティ全体の主幹事ランキング(図参照)を見ると、関与額のシェアは53%と、ほぼ独り勝ち。三菱UFJFGをはじめ、日立製作所や日本郵船など、調達額が1000億円超の大型案件に軒並み絡んだ。外資系幹部は「世界でもこれほどの寡占状態はまれだ」と驚く。

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