再び中古車両頼み?日本の鉄道輸出「前途多難」 輸入停止だったミャンマーに気動車無償譲渡

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今年1月に第1陣として新潟を旅立ったキハ40系列5両のうち、現地化改造を終えてネピドー―タッコン間で試運転を行う3両。新潟色からJR東海車両風の塗装に衣替えしている(写真:Mya Nandar Aung)

新潟県に、1年のうち限られた日だけ列車が走る不思議な路線がある。JR白新線黒山駅から分岐して藤寄駅までのわずか2.5㎞ほどの「新潟東港専用線」、かつての新潟臨海鉄道である。現在は主に新潟トランシス新潟事業所で製造される新型車両の輸送ルートとして活用されており、工場で落成された車両が初めてレールを踏む、いわば筆おろしの場である。

しかし、真逆の側面も持ち合わせている。稀なケースではあるが、実は現役を引退した車両が最後に走行する路線でもあるのだ。ここを通過する引退車両は、新潟東港から船積みされ、海外の新天地へと旅立っていく。

26両が旅立った先は…

2019年12月、この東港専用線で久々に海外へ旅立つ甲種輸送列車が通過した。2011年以来、8年ぶりのことである。新潟東港からは同年以降も多くの引退車両が船積みされているが、港へはトラックによる陸送だったため、この路線を通るのは久しぶりだ。

JR貨物の機関車に牽引され、新潟東港専用線を行く中古気動車(写真:辺見浩史)

この時輸送されたのは、新潟エリアで長らく活躍していたJR東日本新津運輸区所属のキハ40、47、48系気動車(キハ40系列)である。最初の5両を皮切りに、4月までに計26両が輸送されている。いずれも新型の電気式気動車GV-E400系(川崎重工製)の投入によって置き換えられた車両たちである。

8年前、ここから海を渡ったのも新津所属だったキハ52形気動車で、まとめてフィリピンに嫁いで行った。さらに遡れば、サハリンに渡ったキハ58形気動車の一部にも新津所属車両が含まれていた。どうやら新潟の気動車は海外に縁があるようだ。では今回のキハ40系列が向かった先はどこだろうか。すると、意外な行き先と事実が判明した。

第1陣となる5両を載せた貨物船は今年1月に出港し、着いた先はミャンマーだった。何が意外なのかと思われるかもしれない。かの地にはすでに200両近くもの日本の中古気動車が存在しているからだ。

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