しかし、中国で仕事をするということをあきらめたくなかったし、自分に不足している能力は中国語と明らかでしたので、MBA修了後、私立の語学学校に通いました。さらに北京にある対外経済貿易大学のビジネス中国語コースにも入り、毎日10時間ほど中国語の学習に集中した時期が半年ほど続きました。
そうこうしているうちに、オリックスが中国勤務の中国事業開発・投資業務のポジションを公開しているのを見つけたんです。すぐに応募をし、それまでの面接に落ちまくった経験が生きたのか、希望どおりのポジションで内定をいただくことができました。言語力などが完全に確立していない中でも、現地に入って勉強をしながら、就職先を探すというスタンスは、振り返れば大正解だったと感じています。
自分以外、全員中国人の職場で
――現在のオリックスでの業務内容についてもう少し教えてください。もちろん、守秘義務にひっかからない範囲で。
ははは、実際、守秘義務が命ともいえる業務に現在はついています(笑)。オリックスの事業とシナジーがあって、将来の高い成長が見込める企業への戦略投資を中心に従事しています。
同僚の優秀な中国人投資プロフェッショナルたちは、案件組成能力、機動力、交渉力が非常に高く、彼らと一緒に働くことで、日本人だけでは到底入り込めないような現地有力企業との大きなビジネスを経験できます。
ただ、投資チームは、私以外は全員中国人で構成されており、職場の公用語は、当然、中国語です。ビジネスレベルの中国語は、私にとっては依然として難しく、仕事をするにも苦労が絶えません……。
貯蓄額は日本で仕事をした場合と同等以上
――大内さんは駐在員ではなく、オリックス中国本社の「現地採用」として雇用されています。一般的に、現地採用は駐在員より給与も低く、役割も補完的なものとして位置づけられることが多いようですが。
オリックスの海外事業は、現地化を非常に重視しています。私が所属するオリックス中国本社は主に投資事業と傘下の中国現地法人を統括する役割を担っていますが、経営陣もスタッフも、ほとんどが現地の中国人です。
私が従事する投資事業では日本人は私だけですが、日本本社社員、現地法人社員の区別なく能力ベースで仕事をしています。物価などを考えれば、貯蓄額は日本で仕事をした場合と同等か、それ以上になると思います。
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