検察官定年延長法案、ネットで「大炎上」の理由 ツイッターで拡散、広がる法案反対への賛同

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続く共産党の宮本徹氏の「三権分立を揺るがす独裁者の発想だ」との批判に、安倍首相は「内閣の恣意的な人事が今後、行われるといったご懸念はまったく当たらない」と反論。宮本氏が「ツイッターで著名人を含めて市民、国民が意思表示した。これをどう受け止めているのか」と質しても、安倍首相は「先ほど答弁した通りであります」と語るのみだった。

参院では立憲民主の福山哲郎幹事長が、政府が国家公務員法改正案と一本化して提出した検察庁法改正案の分離審議を求めたが、安倍首相は「政府としてはすでに法案として提出している。国会でしっかり議論をしていただきたい」と繰り返した。

岸田、二階両氏は丁寧な審議を求める

国会内外での批判の高まりを無視するかのように、自民党の森山裕国会対策委員長は11日、「(検察庁法改正案などは)今週中に参議院に送付したい」となお強気の姿勢を維持した。自民党は「14日の衆院内閣委で可決、15日の衆院本会議で可決・参院送付を目指す」(国対幹部)というスケジュールを描いており、そこには「14日はコロナでの自粛解除の条件が示されるから、検察庁法改正案への国民の関心は薄れるはず」(同)との読みもにじむ。

ただ、自民党の岸田文雄政調会長は11日、「これだけ国民の関心が高まっているわけだから、政府は国民に対する説明責任を果たさなければいけない」と発言している。二階俊博幹事長も「どさくさに紛れているつもりはまったくない。時間が足りなければ、国会の人たちが知恵を出すことになるので、心配することはまったくない」とあえて丁寧な審議を促した。

さらに石破茂元幹事長は11日夜の民放BS番組で、抗議のツイートの爆発的拡大について、「国民主権というものが『勝手は許さないよ』と圧力をかけている。私たちはそれに応える義務がある」と、自民党の採決強行方針を批判した。

一方、日本弁護士連合会も11日、副会長らが記者会見し、「政権が検察人事に強く介入することを許し、検察官全体に委縮効果をもたらす」などと語り、日弁連としては異例の2度目の反対声明を出した。

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