2022年卒の学生にもじわり影響「就活」の現実 アフターコロナの就職活動はどうなるのか
人事担当者たちは強い危機感を感じており、「一時は緊急事態宣言が解除されたとしても、感染者が増えたらまた制限は厳しくなるのは必然。年単位でこの状況が続きそうななかで採用活動が続けられるのか不安だ」「すでに2021年卒の採用を取りやめたところもある。自社も採用人数を減らす可能性が高い」という声も届いています。
さらには、この採用活動にもたらす影響は年内にとどまらず、むしろ2022年卒以降の就活生にとって大きな影響が出てくると思われます。
多くの企業は、今年の採用試験を行っている段階で、来年度の採用計画は発表していませんが、調査会社が行った事前のアンケートでは、約9.5%の企業が、「採用しない」としていることから、2022年度の就職環境は、ここ数年の「売り手市場」とは異なる可能性が大いにあります。
実際に、ベネッセi-キャリアが実施した企業調査(約180社が回答)によると、約3割の企業が2022年卒採用の「後ろ倒しを検討中」もしくは「後ろ倒しを決定した」という結果も出ています。
来夏に東京オリンピック・パラリンピックの開催が延期されたこともあり、開催期間中の都内の交通網の問題や、大会に協力している企業は事業活動を見直すことが予想されることからも、採用スケジュールは変則的なものになることが予想されます。
前向きに考えると…
こうして見ていると、新型コロナがもたらす変化は悪いものばかりが目につきますが、前向きに考えればいいところもあります。
IT企業の一部では、すでにオンラインシステムを活用して採用活動をしているところもありましたが、大半の企業は対面で行う採用活動が主でした。でも、突然降って湧いたような新型コロナの影響で、今年度は多くの企業がオンラインを活用しての説明会や面接を行わざるをえなくなりました。
「災い転じて福となす」という諺がありますが、企業側は当初は戸惑いつつも、実際にツールを使用したことで、徐々にその利便性を感じ始めたようです。
時間、費用、労力の主要3点において、コロナ以前の採用活動とはまったく異なり、あらゆる意味でのコストパフォーマンスのよさを感じたことでしょう。これにより、コロナ以後の採用活動は大きく変化していくことが予測されます。
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