日経平均はGW後、再び2万円を回復できるのか 投資家の「3つの疑心暗鬼」はいつ消えるのか
このうち①はヘリコプターマネーが実施され、否定しながらも財政ファイナンスも厭わない世界の金融政策が強い下値支持材料になっている。結局、問題は②との兼ね合いだ。本当に先進国のコロナは6月末には落ち着くのか?確かに、これについては神経質な相場がもう少し続きそうだ。また、③に対する不安も消えたわけはない。
だが、政府は5月2日の持ち回り閣議で、アメリカのギリアド・サイエンシズ社の「レムデシビル」に特例承認が適用されるよう政令を改正し、企業から承認申請があれば、1週間程度で承認できるような態勢を整えるとした。また、日本にはアビガンもある。こちらも最速で治験が進み6月末には何とかなる(あくまで兜町の推定だが)と言われている。これらを織り込んだ相場が展開していくだろう。
筆者の師である「石井独眼流」(石井氏は故石井久・立花証券会長)の言葉で「相場には投資家の本音が素直に現れる。理屈で考えるよりも、相場から本質を読み取ろうとしたほうが上手くいく」を思い出す。
もちろんこれは「テクニカル指標だけではなく、価値(ファンダメンタルズ)、需給、人気をしっかり分析して相場の正体を見極めよ」ということだが、師からはたくさんのことを学んだ。本欄でもこれから順次紹介して行きたい。
今はファンダメンタルズだけ見ると買えない相場
株の「価値」はどんどん下がっている。日経平均が2万3000円台にいた2月の中盤まで予想EPS(1株当たり利益)は1600円台前半(それさえも前年7月25日の1795円からかなり下がっていた)だった。だが、5月1日現在では1189円まで下がっている。
主要企業の大幅減益と、多くの企業の今期(2020年度)見通しの撤回や未公表でやむを得ぬことだが、予想PER(株価収益率)は16.5倍まで高まっている。2016年12月16日の16.64倍以来のことだ。しかし、この時はドナルド・トランプ氏が大統領選に勝利した後の株価急騰による「良いPER16倍」だった。しかし今は、EPS急落による「悪いPER16倍」で、ますます買いにくい相場となっている。
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