「eKクロス スペース」は王者N-BOXに勝てるか 実車でわかったデザイン・質感・使い勝手

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取材車は、eKクロスに続いて採用したアイボリーとオレンジの2トーンカラーで、好感を抱いた。

2トーンカラー場合、ルーフは多くの車種が白や黒としており、eKクロス スペースでもオレンジ以外の2トーンはそのパターンだ。だからこそ、このオレンジのルーフは新鮮。上質感を出しつつ存在感もある、絶妙なコーディネートである。

eKクロス スペースの最低地上高は、eKスペースと同じ。タイヤの外径も同等だ。走行性能に配慮したのかもしれないが、軽自動車は全長や全幅も上限があるから、クロスオーバーっぽい演出は難しくなる。

サイドシルやホイールアーチをブラックとしてSUVらしさを演出(写真:三菱自動車)

そんな中でeKクロス スペースは、ホイールアーチとサイドシルをブラック、前後バンパー下端をシルバーとしており、車高を上げているような演出をしている。SUVづくりの豊富な経験を感じる部分だ。

なお、取材車は、全高1820mmと20mmほど高くなっているが、これはオプションのルーフレール装着によるものである。

インテリアは「ラグジュアリー」に

インテリアではまず、オプションのプレミアムインテリアパッケージが目に入った。

オレンジのステッチを入れたブラウンの合成皮革をインパネ、ドアトリム、シートの一部に取り入れており、質感も高い。日産のルークスとは異なる仕立てで、ハスラー同様カジュアルなテイストをアピールしたスペーシアギアや、ワルっぽいイメージの「N-BOXカスタム」、「タントカスタム」とも違う。

プレミアムインテリアパッケージは5万5000円のメーカーオプション(筆者撮影)

タフな雰囲気をエクステリアに持たせつつ、インテリアをラグジュアリーテイストでまとめるというのは、欧州のプレミアムブランドのSUVやクロスオーバーでよく見るコーディネートで、プレミアムインテリアパッケージからはそれに近い雰囲気を感じた。

一方でインパネは、運転席前にアナログの2眼式メーターを置き、センターに大型モニターを据えたレイアウトで、eKクロスとの共通部分が多い。

初代以来のセンターメーターを踏襲するタント、運転席正面でありながら遠くにメーターを置いて視線移動を少なくしたN-BOXとは対照的で、このカテゴリーで同様の配置は大径の速度計をメインにしたスペーシアだけだ。

ただし、クロスオーバーというキャラクターには、伝統的な配置でスポーティさをアピールするeKクロス スペースのレイアウトが、もっとも似合っているとも感じた。

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